業種別規模別ロードカーブ・月別電力消費量データの根拠と使い方は?
需要家への説明に使えるFAQ 3行サマリ
本データは、実測30分値・1時間値がまだない段階でも、初期提案や概算試算を前に進めるための推計データです。
業種・規模・地域・営業日/休業日特性を踏まえて作成しており、用途を「初期提案・概算回収年数試算」に限定すれば十分実務利用可能です。
ただし最終提案では必ず実測データに差し替えて精査してください。これは精度のためだけでなく、説明責任のためにも重要です。
Q1. このデータは「実測」ですか? それとも「推計」ですか?
回答
推計です。
正確には、実測データが未取得の案件でも、初期提案や概算試算を止めないための“推計データセット”です。
エネがえるBizでは、
業種
規模
地域
稼働日 / 非稼働日
をもとに、1年分の想定デマンドを組み立てて試算します。
そのため、初回提案・概算回収年数試算・簡易シミュレーションには十分使えますが、厳密な実測の完全代替として断定利用するものではありません。
Q2. では、なぜ使ってよいのですか?
回答
理由は、「データがないから何も提案できない」状態を防ぐためです。
現実の営業では、初回面談や案件初期段階で、需要家からすぐに30分値・1時間値が出てこないことが珍しくありません。
そのときに、業種・規模・地域から一定の蓋然性をもって概算需要を置き、
自家消費型太陽光が向くか
蓄電池併設まで検討すべきか
投資回収が概算でどのくらいか
を早めに見せられることに意味があります。
本データは、まさにそのためのものです。推奨用途は「初期提案・概算回収年数試算・ロードカーブ未取得案件の簡易シミュレーション」です。
Q3. どんなデータが入っていますか?
回答
大きく2つです。
1) 業種別規模別ロードカーブ
1日の中で、どの時間帯に電力需要が寄るかを示す相対値です。
通常、各テンプレートは以下の2種類を持ちます。
稼働日:通常営業日・通常操業日向け
非稼働日:休日・定休日・低稼働日向け
2) 業種別規模別の月別電力消費量
1月〜12月で、どの月にどの程度の使用量が出やすいかを示す月別kWhです。
年間値しかわからない案件でも、業種・規模・地域に応じた月別構成で12か月へ補完できます。
Q4. 業種別規模別ロードカーブは、何を根拠に作っていますか?
回答
ロードカーブは、単なる勘や経験則だけで作っているわけではありません。
主に次の要素を組み合わせています。
反映している考え方
業種ごとの営業時間・操業時間
平日 / 休日の違い
昼間負荷の厚さ
夜間も残るベース負荷
冷熱・冷凍冷蔵などの常時負荷
学校・庁舎・オフィスのような日中集中型需要
病院・ホテル・データセンターのような24時間型需要
つまりどういうことか
たとえば、
一般事務所
食品スーパー
食品工場
病院
冷凍冷蔵倉庫
が、同じ時間帯形状になるべきではありません。
このため、ロードカーブは業種特性ごとの類型テンプレートとして作られています。
さらに、営業日/休業日の差や、1日の中の需要の山谷が出るように調整されています。
監査で問題になった、
休日が完全フラット
平日と休日が同じ
異業種なのにほぼ同じ形
といった不自然さは改善されています。
Q5. 月別電力消費量は、何を根拠に作っていますか?
回答
月別電力消費量は、年間需要を12等分しただけの単純配分ではありません。
主に次の要素を考慮しています。
反映している考え方
業種ごとの季節変動
冷暖房需要
夏冬ピーク傾向
地域差
営業日・休業日差
施設用途ごとの月別需要特性
また、月別データはそのまま使うだけでなく、
年間値から月別へ補完
平均月kWhから月別へ補完
1か月だけ判明している値から他月へ補完
できるように、月別構成比として整備しています。
Q6. 「根拠やエビデンスは?」と聞かれたら、どう答えればよいですか?
回答
一番大事なのは、「実測そのもの」と言わないことです。
そのうえで、次のように説明すると、誠実かつ安心感があります。
需要家向けの説明例
「本データは、実測30分値・1時間値がまだない案件でも初期提案を前に進めるために、業種・規模・地域から推計したデータです。業種特性や営業日/休業日差、季節差、地域差を反映しており、初期提案や概算回収年数試算には十分活用できます。一方で、最終提案では必ず実績データへ差し替えて精査する前提です。」
この言い方なら、
推計であることを隠さない
でも根拠ゼロではない
初期提案には実務上十分
最終提案では実測へ差し替える
という4点が明確に伝わります。
Q7. 具体的に、どんな出典を使っていますか?
回答
Excelデータセット内には、各業種テンプレートごとに参照元URLや参考事例URLが整理されています。
大きく分けると、以下の出典群を使っています。
A. 業種別需要構造の基礎根拠
DECC Level1
非住宅建築物のエネルギー消費構造の基礎整理
DECC Level3
用途別の月別・曜日別・時刻別データの参照基盤
B. 自家消費型太陽光・蓄電池の公開事例
環境省の自家消費型太陽光発電・蓄電池導入事例
環境省の物流・製造・冷凍冷蔵・処分場等の脱炭素事例
公共施設・庁舎・物流施設等の導入資料
民間の公開導入事例・技術解説
C. 業界・施設用途ごとの補足根拠
コンビニ・流通業界のカーボンニュートラル行動計画
鉄道施設・車両基地の太陽光導入手引き
研究施設・公共施設・工場の公開資料
繊維工場など個別業種の公開導入事例
D. 季節性・地域差・カレンダー判定
気象庁 平年値
内閣府 祝日データ
つまり、「業種別の需要構造」+「実際の導入事例」+「季節・地域・祝日データ」を組み合わせて、各テンプレートの蓋然性を高めています。
Q8. データセット内にある主な出典URLを見せてもらえますか?
回答
はい。以下は、データセット内に整理されている主な参照元URLの例です。
需要家説明時には「こうした公的資料や公開事例を参照しながら作成しています」と伝えると安心感があります。
需要構造の基礎
https://www.jsbc.or.jp/decc/outline_level1.html https://www.jsbc.or.jp/decc/outline_level3.html
環境省・公的事例
https://www.env.go.jp/content/000143155.pdf https://www.env.go.jp/content/000316771.pdf https://www.env.go.jp/content/000220122.pdf https://www.env.go.jp/content/000315347.pdf https://www.env.go.jp/content/000240522.pdf https://www.env.go.jp/content/000243256.pdf https://www.env.go.jp/content/900537024.pdf https://www.env.go.jp/earth/earth/ondanka/enetoku/case/pdf/2024/enetoku-jirei-2024-55.pdf https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/doc/kokyo-shisetsu-datsutanso-senko-jirei-202404.pdf https://policies.env.go.jp/policy/roadmap/assets/seminar/R7_course03_3.pdf
業界・施設別の補足資料
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/ryutsu_wg/pdf/2023_001_05_02.pdf https://www.jfa-fc.or.jp/misc/static/pdf/090528.pdf https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001882199.pdf https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001610646.pdf https://unit.aist.go.jp/renrc/img/ja/project/pvdc/event/pvdc2025/information_leaflet_pvdc2025_20260129.pdf https://unit.aist.go.jp/frea/pdf/aist_frea_smartsystemresearchfacility_2025.pdf https://www.pref.kyoto.jp/consortium/case/r6hamadasenkou.html https://japancredit.go.jp/pdf/jcrd/00516_64_1.pdf https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/self-consumption/blog/028.html
気象・祝日
https://www.data.jma.go.jp/stats/data/mdrr/normal/index.html https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/syukujitsu.csv
Q9. すべての業種で、まったく同じ精度ですか?
回答
いいえ、そこは正直にお伝えすべきです。
業種によって、公開可能な参考データや公開事例の量には差があります。
ただし、Excelデータセット内では、各業種ごとに
公的資料
公開事例
補足資料
カレンダー根拠
気象・祝日データ
を組み合わせて整備しており、根拠がゼロの感覚値ではありません。
また、用途を初期提案・概算試算に限定する限り、十分利用可能な蓋然性を持つように構成しています。
一方で、最終契約判断や詳細設計は必ず実測へ差し替えるのが前提です。
Q10. 需要家には、どこまで言ってよいですか?
回答
次の言い方が安全で、かつ伝わりやすいです。
言ってよいこと
「業種・規模・地域から需要を推計しています」
「公的資料や公開事例、季節・地域データを参照しています」
「初期提案や概算試算には十分使えます」
「正式提案では必ず実績データで再計算します」
避けた方がよい言い方
「実測そのものです」
「この数字がそのまま確定値です」
「どの需要家でも必ずこのカーブになります」
「このデータだけで最終判断できます」
Q11. では、どんな案件に特に向いていますか?
回答
特に向いているのは、次のような案件です。
デマンドデータがまだ出ていない初回商談
まず概算の投資回収年数を見せたい案件
屋根上自家消費型太陽光の一次診断
蓄電池の要否をざっくり見たい案件
複数施設の中から優先候補を選びたい案件
「まず一度、導入余地があるか」を見たい案件
逆に、
詳細設計
補助金申請の厳密な数値確定
最終見積の裏付け
では、実測データを優先してください。
Q12. 最後に、需要家へ一言でどう説明すればよいですか?
回答
この一言で十分です。
需要家向け一言説明
「この試算は、御社の実測データがまだない段階でも、業種・規模・地域に基づいて概算を出せるようにした初期提案用の推計です。初回提案や投資判断のたたき台としては十分使えますが、正式提案時には必ず実測データで再計算します。」
まとめ
本データは推計データです
ただし、業種特性・規模・地域・営業日/休業日・季節差を踏まえた、根拠のある推計です
Excelデータセット内には、DECC、環境省、公的資料、業界資料、気象庁、内閣府祝日データ等の出典URLが整理されています
用途を初期提案・概算回収年数試算・簡易シミュレーションに限定すれば、十分実務利用可能です。
最終提案では必ず実測データへ差し替える、これが正しい使い方です。

