🔥 屋根上太陽光の防火安全対策に関するFAQ
Q1. 屋根上太陽光の設置にあたり、消防庁が重視している防火観点は何ですか?
A. 主に以下の5点です。
消防活動の安全確保
延焼・火災拡大の防止
感電リスクの低減
防火区画・防火間隔の確保
設備材料の難燃・不燃性能
特に近年の屋根上太陽光火災を受け、消防活動動線・保有距離・直流配線の扱いが重要視されています。
Q2. 消防隊の活動スペースとして、どの程度の間隔が必要ですか?
A. 東京消防庁が公表している指導基準では、以下が明示されています。
非常用進入口・屋外階段等の周囲50cm以内
→ 太陽光モジュール・直流配線の設置不可大規模屋根(設置面積300㎡以上)
→ すべてのモジュールから24m以内に消防活動用通路を確保
📄 参考(一次資料PDF)
東京消防庁「太陽光発電設備に係る防火安全対策の指導基準」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/content/000020769.pdf
Q3. 防火区画や保有距離とは具体的に何を指しますか?
A. 「保有距離」とは、火災時の延焼や熱影響を防ぐため、建築要素や危険部位から設備を離す距離です。
主な考え方は以下です。
屋根上の規制場所(防火区画・立上り・排煙口等)
→ 原則1m以上のクリアランスを確保規制場所へ設置する場合
→ 燃焼熱・延焼性試験に適合したモジュールの使用が条件
📄 参考(省令解釈・業界資料)
消防法・建築基準法 省令解釈
JEMA/JEITA 太陽光発電設備安全設計ガイド
Q4. 太陽光モジュールや架台には、どのような性能要件がありますか?
A. 以下が基本要件です。
太陽光モジュール
JIS C 8992-2 等の延焼性・燃焼熱評価に適合
架台・支持部材
不燃材料(アルミ・溶融亜鉛メッキ鋼材等)を使用
直流配線
感電防止・損傷防止措置(メタルコンジット等)を実施
Q5. 消防庁の「検討会」では、どのようなリスクが整理されていますか?
A. 検討会報告では、屋根上太陽光のリスクを以下のように体系整理しています。
火災時の延焼リスク
消防活動時の感電・滑落リスク
屋根全面設置時の活動困難性
直流遮断不可による二次災害リスク
📄 参考(検討結果PDF)
東京消防庁「第7章 太陽光発電設備に係る防火安全対策(検討結果)」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/content/000020872.pdf
Q6. 最近話題の「大分市の火災」を受けた新たな通知はありますか?
A. 2024年12月19日に消防庁検討会での議論内容が公表されていますが、
現時点では全国一律で適用される新基準PDFは未公開です。
ただし、今後は以下が強化される方向と見られています。
屋根上設置密度の見直し
消防活動用スペースの明確化
直流遮断・表示の義務化検討
👉 現段階では、既存の東京消防庁基準+省令解釈+JEMA/JEITA資料を組み合わせた設計が最も安全です。
Q7. 実務では、どの資料を優先的に参照すればよいですか?
A. 以下の優先順位がおすすめです。
消防庁・東京消防庁の公式PDF(一次資料)
消防法・建築基準法の省令解釈
JEMA/JEITAの安全設計ガイドライン
各自治体消防の個別指導(最終判断)
Q8. エネがえる等のシミュレーション導入と防火設計は関係しますか?
A. いいえ。直接は経済効果試算に関係はしません。ただし、屋根面積・設置率・区画分割・通路幅を事前に数値化・可視化できるため、
設計段階での消防協議の迅速化
防火セル(区画・間隔)の客観的説明
PPA・公共施設案件での稟議通過率向上
に直結します。
📌 補足
本FAQは、2024年12月時点で公開されている公式一次資料・業界団体資料を基に整理しています。
最新の消防庁通知・自治体指導については、必ず個別に所轄消防へご確認ください。
