❄️【FAQ】エネがえるBizで積雪影響を簡易的に反映するには?
Q1. エネがえるBizには「積雪補正」や「稼働率」の入力項目はありますか?
A1.現行のエネがえるBizには、積雪補正や稼働率の直接入力項目はありません。
ただし、発電量推計ロジックにおける「基本設計係数(基本値0.85)」を調整することで、積雪による発電量低下を簡易的に再現することができます。
Q2. 基本設計係数とは何ですか?
A2.「設計係数」は、JIS C 8907に基づき、
太陽光発電システムにおける温度損失・配線損失・変換効率・方位角・日射ロスなどを総合的に考慮する係数です。エネがえるBizでは、標準的な屋根上設置を想定し、初期値を0.85としています。
積雪や日陰などによって発電停止・減衰が起こる地域では、この値を下げることで実質的な補正が可能です。
Q3. 積雪補正はどのように設定すればよいですか?
A3.以下の手順で簡易補正が可能です。
エネがえるBiz設定画面で「設計係数」を確認
→ 初期値は「0.85」になっています。積雪地域に応じて下記表のように係数を変更
→ 係数を下げるほど、積雪による年間発電量減少を反映できます。
Q4. 地域ごとの推奨「設計係数」設定値は?
積雪区分 | 想定地域例 | 推奨設計係数 | 補正の意味(概算発電量減) |
非積雪地帯 | 東京・愛知・広島 | 0.85(変更不要) | 約0〜2%減 |
軽積雪地帯 | 岐阜南部・長野南部・兵庫北部 | 0.83 | 約3〜5%減 |
中積雪地帯 | 山形・盛岡・福井 | 0.80 | 約7〜10%減 |
多雪地帯 | 新潟・長野北部・秋田 | 0.75 | 約12〜18%減 |
豪雪地帯 | 北海道内陸・青森・庄内 | 0.70 | 約20〜25%減 |
📌 ポイント:
設計係数を「積雪による平均稼働率」に置き換えて考えると直感的です。
例)係数0.75 ≒ 年間稼働率約88%(約45日間発電停止想定)
Q5. 月別や時間帯別にもう少し現実的に補正したい場合は?
A5.エネがえるBizではデマンドデータだけではなく、発電量も365日30分値または60分値のkWhとしてCSVでインポートが可能です。エネがえるBizで一旦診断したExcelの「日次」のレポートにある365日60分値の「太陽光発電量」の数値を転記したうえで、以下のような係数をかけて積雪補正する。または1月・2月の発電量を完全に0に修正・補正したCSVをインポートすることで積雪ロスを加味した試算が可能です。
下表のような係数をインポートする発電量CSVデータの12〜3月のみに適用し、年間平均で補正値0.8〜0.75相当になるように設定する方法が推奨されます。
月 | 軽積雪地帯補正係数 | 多雪地帯補正係数 |
12月 | 0.9 | 0.8 |
1月 | 0.8 | 0.6 |
2月 | 0.85 | 0.7 |
3月 | 0.95 | 0.9 |
4〜11月 | 1.0 | 1.0 |
Q6. FAQの要約(設計係数による簡易補正まとめ)
積雪リスク | 設計係数目安 | 想定稼働率 | 発電量減少目安 | 備考 |
低 | 0.85 | 100% | 0〜2% | デフォルト値 |
中 | 0.80 | 93〜95% | 7〜10% | 長野中部・山形など |
高 | 0.75 | 85〜90% | 12〜18% | 新潟・秋田など |
極 | 0.70 | 80〜85% | 20〜25% | 北海道・青森など |
Q7. 設定変更時の注意点
変更対象項目: 基本設計係数(基本値0.85)
変更単位: プロジェクト単位(案件ごとに設定可能)
反映範囲: 年間・月別・時間帯別すべての発電量計算に影響
備考: 「積雪による発電抑制を含めた年間推計値」として説明文に明記すると顧客理解が得やすくなります。
🔗 参考資料・根拠
NEDO「METPV-20」全国日射量・気温データベース
https://www.nedo.go.jp/library/nissharyou.htmlJIS C 8907: 太陽光発電システム-発電量推定方法
https://www.jisc.go.jp/産総研「雪害対策型PVモジュール性能実証報告」(2022)
https://unit.aist.go.jp/energy/