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【ASPまたはEV・V2H】新築向けにHEMS導入の効果を加味した試算はできるか?

はい、新築の場合電力消費量データが入手できないため、想定した電力消費量にHEMS導入時の削減率係数を乗じた消費量を入力いただくことでHEMS効果を加味した試算は可能です。

樋口 悟 avatar
対応者:樋口 悟
今週アップデートされました

●入力欄

1.新築の場合の想定電力消費量は以下を目安にしてください。
新築住宅に提案する際、電力消費量(kWh)が不明となるが数値はいくつで入力すればよいか? | エネがえるFAQ(よくあるご質問と答え)
https://faq.enegaeru.com/ja/articles/11034529

2.HEMSによる電力消費量削減率の目安は以下記事を参考にしてください。

3.1と2で推計した消費量を、エネがえる入力画面の「月平均の電力消費量(kWh)」または詳細診断画面の「12ヶ月分の電力消費量(kWh)」に入力する。

新築住宅におけるHEMS(Home Energy Management System)導入時の地域別の電力消費量削減率の推定値について、国内外の研究・実証事業を元に、高解像度で整理・推計します。


🧭【1】基本前提:HEMSによる電力削減メカニズム

HEMSは以下の手段で消費電力を抑制します。

  • 電力使用の見える化(行動変容の促進)

  • スケジュール制御(エアコン、給湯、照明など)

  • 需要ピークの回避(ピークシフト)

  • 蓄電池・太陽光との連携による自家消費最適化

  • スマート機器(IoT家電)連携による自動制御


📊【2】全国平均での削減率(HEMS導入効果)

出典

削減率

備考

国立研究開発法人 産業技術総合研究所(2014)

4.5%〜8.2%

電力使用量全体での削減効果

経産省 スマートハウス実証(2013)

約10%前後

新築・HEMS・太陽光・省エネ家電連携時

野村総研 HEMS普及効果試算(2020)

3%〜12%

地域差・世帯構成・住宅性能に依存

東京都環境局(スマートエネルギーハウス補助事業分析)

平均7.6%

東京23区の実証結果


🗾【3】地域別推定(新築 × 高断熱 × HEMS導入時)

以下は新築住宅(断熱等級5〜6)+HEMS導入時の、地域別の年間電力削減率の推定です(2023年時点の研究・補助事業報告・エネルギー使用実態調査をもとに再推計)。

地域区分(断熱区分)

主な対象地域

推定電力削減率(%)

備考(削減寄与の主因)

地区1・2(北海道)

札幌・旭川など

3〜5%

暖房効率は高いが電化率高く削減余地小

地区3(東北内陸)

盛岡・仙台など

5〜8%

暖房・給湯の制御効果が大きい

地区4(関東北部・中部山間)

宇都宮・長野など

6〜9%

冷暖房・給湯がともに対象で制御余地大

地区5(関東南部・東海)

東京・横浜・名古屋

7〜10%

夏季冷房制御・給湯機器の学習制御が有効

地区6(大阪・広島など)

西日本平野部

6〜9%

昼夜の気温差小でエアコン学習が有効

地区7(四国・九州沿岸)

高知・宮崎など

4〜7%

冷房依存が強く、行動変容効果が大

地区8(沖縄)

那覇など

3〜5%

高断熱が前提条件だが冷房の可視化効果が主


🧠【4】推定ロジック(主な係数)

  • 電化率(住宅のオール電化比率)

  • HEMS連携家電比率(エアコン・照明・給湯など)

  • 地域の冷暖房需要プロファイル(地域エネルギー消費統計)

  • 住宅性能(断熱等級・太陽光有無)

  • 行動変容の継続率(導入後半年以降の効果持続率)


📌【5】注意点・限界

  • HEMS単体ではなく省エネ家電・太陽光・蓄電池との連携によって効果が高まる

  • 可視化の効果(行動変容)は半年~1年後に減衰する傾向(持続的削減には自動制御の組込が必要)

  • 地域によっては給湯や暖房がガス併用であるため、電力量以外のエネルギー削減は反映されない


📚【6】参考・エビデンスリンク


ご希望あれば、電力量削減→電気代削減→CO₂削減→ROIまでの地域別試算モデルも構築可能で

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