太陽光、パワコン、過積載、過積載率、DC発電量、AC発電量などの関係性、エネがえるの場合の発電量はAC発電量太陽光発電に関する以下の用語の関係性と「エネがえるBiz」における発電量の定義について、以下に整理します。
🔧 各用語の定義と関係性
用語 | 意味 | 単位 | 関係性・補足 |
太陽光容量(PV容量) | 太陽電池モジュールの合計公称出力 | kW(DC) | DC側容量。例えば10kWのモジュールを積んでいれば10kW。 |
パワコン容量 | パワーコンディショナの変換容量(定格出力) | kW(AC) | AC側容量。例:9.9kWなど。 |
過積載 | 太陽光容量がパワコン容量を上回っている状態 | - | 一般的にパワコン容量の1.2~1.5倍のPV容量を載せることが多い。 |
過積載率 | 太陽光容量 ÷ パワコン容量 | - | 例:12kW ÷ 10kW = 1.2(120%)。 |
DC発電量 | 太陽電池モジュールが発電した電力量 | kWh(DC) | 日射量・温度・モジュール性能により決まる。 |
AC発電量 | パワコンを通して交流に変換された後の電力量 | kWh(AC) | 実際に家庭や事業所で使える電力量。 |
過積載ロス | DC発電量がパワコン容量を超過しカットされる損失 | kWh | 主に晴天時・高日射時に発生。 |
過積載ロス率 | 過積載ロス ÷ DC発電量 | % | パワコン出力制限によって失われた割合。 |
⚙️ 各値の関係式(簡易モデル)
DC発電量(kWh) = 日射量 × 太陽光容量 × モジュール効率 × その他損失補正係数
AC発電量(kWh) = DC発電量 − パワコン変換ロス − 過積載ロス
過積載ロス = パワコンの瞬時出力上限を超えた分のエネルギー(主に晴天ピーク時)
※ パワコン変換ロス ≒ 2〜5%、その他:温度ロス・配線ロス等も考慮されることが多い。
📌 「エネがえるBiz」で出力される発電量は?
→ **基本的には「AC発電量」**です。
理由:
需要家や事業者が実際に使用・売電するのはAC電力であるため。
シミュレーションの目的が「経済効果」や「自家消費率」「売電収入」などの評価であるため、実用的なAC出力に基づいて算出されます。
過積載によるロスも適切に評価したうえで、**「AC出力ベースの年間予測発電量」**を提示。
📘 実務で重要なポイント
過積載率が高すぎると、過積載ロスも増加するが、朝夕や冬季の日射弱い時間帯では有利になるため、全体としてはトレードオフ設計が重要。
エネがえるBizでは、地域ごとの日射量・温度・設備構成・傾斜・方位により、AC発電量を高精度にシミュレーション。
営業・設計提案時には「過積載率が高い方が得か?」の問いに対して、AC発電量と自家消費効果の最大化で議論するのが実践的です。