【Biz】蓄電池設定はどう使い分ける?目的別の設定例とQ&A
※以下の設定例は、仮想の案件に合わせて、
目標の最大デマンド値:89kW / 実効蓄電容量:250kWh / 定格入力・出力:100kW / 変換効率:98% を前提にした例です。
※あくまでも数値は仮想の例です。実際には案件毎に数値は変更してください。
Q1. まず、どの項目を入力すればよいですか?
結論
最初に決めるべきなのは、何を最大化したいかです。
そのうえで最低限見るべき項目は、目標の最大デマンド値、実効蓄電容量、放電設定、充電設定です。なお、目標ピーク値が読みにくい場合は、「目標の最大デマンド値を探索」 を使うと、設定した蓄電池条件でピークカット可能な限界値を探索できます。
この探索機能を使う場合、目標ピーク値欄には 0以外の任意の値 を入れておけば、シミュレーション後に上書きされます。
設定例
目標の最大デマンド値:89
実効蓄電容量:250kWh
放電設定:目的に応じて選択
充電設定:目的に応じて選択
迷う場合:「目標の最大デマンド値を探索」 にチェック
注意点
蓄電池シミュレーションは、入力した需要データや太陽光発電量を前提にした試算です。したがって、結果は提案の参考にはなりますが、実運用で必ず同じピーク値になることを保証するものではありません。
Q2. 自家消費率をできるだけ高めたい場合は、どう設定すればよいですか?
【通常の自家消費案件の場合もっともおすすめ・効果がでやすい設定】
結論
太陽光をまず直接自家消費し、余ったぶんだけ蓄電し、その蓄電分を広く使いたい場合は、
放電設定:常時放電する
充電設定:系統からの充電をしない
「系統充電なしで太陽光は自家消費より蓄電を優先」:OFF
が基本です。通常シミュレーションでは、太陽光を自家消費した後、その余剰を蓄電します。一方で、上記チェックをONにすると、太陽光の優先順位が変わり、ピークカットや蓄電が自家消費より先になります。自家消費率を素直に伸ばしたいときは、通常は OFF で始める方が分かりやすいです。
設定例
系統充電なしで太陽光は自家消費より蓄電を優先:OFF
目標の最大デマンド値:89
実効蓄電容量:250kWh
放電設定:常時放電する
定格出力(放電):100kW
変換効率(放電):98%
充電設定:系統からの充電をしない
定格入力(充電):100kW
変換効率(充電):98%
最低購買電力:0kW
注意点
この設定は 自家消費率アップ には向きますが、最大デマンド削減が最優先の案件 では不利になることがあります。特に、昼間のピークが強い施設では、常時放電により肝心の時間帯まで電池を温存できず、基本料金削減効果が伸びにくいことがあります。
Q3. 基本料金削減のために、ピークカットを最大化したい場合はどう設定しますか?
【夏季ピーク大など大規模工場など蓄電池ピークカット効果で基本料金削減したい場合】
結論
ピークカットを重視する場合は、
目標の最大デマンド値を設定する
放電設定は 「放電時間を設定する」 または 「ピークシフト以外の放電をしない」
充電設定は 「系統からの充電時間を設定する」
が基本です。Bizのロジックでは、ピークシフトは放電時間設定に関係なく働く一方、放電時間を設定するとその時間帯は目標ピーク値に関係なく放電します。したがって、ピーク帯に合わせて狙って放電したいなら「放電時間を設定する」、逆に必要な時だけ放電して電池を温存したいなら「ピークシフト以外の放電をしない」が向いています。
設定例
目標の最大デマンド値:89
放電設定:放電時間を設定する
放電時間:需要ピークが出る時間帯に合わせる
充電設定:系統からの充電時間を設定する
充電時間:安価時間帯に合わせる
注意点
放電時間を長く取りすぎると、ピーク時間の前半で電池を使い切ることがあります。添付例の 250kWh / 100kW であれば、単純計算では 約2.5時間分 の全力放電相当です。したがって、料金メニューの高い時間を全部放電時間にするより、実際の需要ピークの中心だけを切り出して設定する方が現実的です。これは料金表そのものというより、蓄電池容量とロードカーブの整合で決めるのがコツです。
Q4. 系統充電する場合、充電時間帯はどう設定するのが現実的ですか? 高圧TOU等の例はありますか?
結論
まず最初の候補としては、22時〜8時 をおすすめします。
例えば、東京電力エナジーパートナーの 高圧季節別時間帯別電力(契約電力500kW以上) では、夜間時間はそれ以外の時間帯、平日(土曜含む)の 8時〜22時が昼間時間、そのうち 夏季13時〜16時がピーク時間 です。日曜・祝日等は 全日夜間時間 です。中部電力ミライズの 高圧業務用電力TOU/TOU2 でも、夜間は22時〜翌8時、夏季10時〜17時が重負荷時間、8時〜22時が昼間時間、休日などは 終日夜間時間 です。したがって、Bizの毎日固定の時間設定としては、充電は22時〜8時を第一候補 に置くのが最も扱いやすいです。 (東京電力)
設定例(まずはこの初期値から)
充電設定:系統からの充電時間を設定する
充電開始:22時
充電終了:8時
注意点
現実の料金メニューは、休日だけ終日夜間扱い になるなど曜日条件がありますが、Bizのこの画面は基本的に 毎日の固定時間帯設定 です。したがって、料金メニューを1:1で完全再現するというより、「夜間安価帯の近似」として22時〜8時を置く運用が実務的です。放電時間は、料金メニューに完全一致させるより、実際のデマンドの山 に寄せてください。
Q5. 東京電力EP型・中部電力ミライズ型で、よりリアルな設定例を教えてください
結論
放電時間は 「高い時間帯」ではなく「実際にピークが立つ時間帯」 に合わせるのがポイントです。TOUの定義上、東京電力EPは 夏季13時〜16時、中部電力ミライズTOU/TOU2は 夏季10時〜17時 が重い時間帯ですが、蓄電池が 250kWh / 100kW 級なら、後者をそのまま全部放電指定すると長すぎることがあります。まずは ピークの中心帯だけ で設定を始めるのが安全です。
設定例(東京電力EP型の初期値)
目標の最大デマンド値:89
放電設定:放電時間を設定する
放電開始:13時
放電終了:16時
充電設定:系統からの充電時間を設定する
充電開始:22時
充電終了:8時
設定例(中部電力ミライズ TOU/TOU2 型の初期値)
目標の最大デマンド値:89〜95
放電設定:放電時間を設定する
放電開始:12時
放電終了:15時
充電設定:系統からの充電時間を設定する
充電開始:22時
充電終了:8時
注意点
中部電力ミライズのTOU/TOU2では、制度上の重負荷時間は 10時〜17時 ですが、放電時間も10時〜17時にするべき、という意味ではありません。Bizの設定では、制度上の時間帯区分は「充電の考え方」の参考にしつつ、放電は ロードカーブの山 に寄せる方が、結果が崩れにくくなります。 (中部電力ミライズ)
Q6. 系統充電なしで、太陽光は自家消費より蓄電を優先したい場合はどう設定しますか?
【系統充電なし&自家消費よりも蓄電を優先したいケース(レアケース)】
結論
この場合は、
「系統充電なしで太陽光は自家消費より蓄電を優先」:ON
充電設定:系統からの充電をしない
を使います。この設定では、通常シミュレーションのような 「自家消費して余ったら蓄電」 ではなく、太陽光をピークカットと蓄電に優先使用し、残りを自家消費する考え方になります。つまり優先順位は、ピークカット > 蓄電 > 自家消費 です。
設定例
系統充電なしで太陽光は自家消費より蓄電を優先:ON
目標の最大デマンド値:89
実効蓄電容量:250kWh
放電設定:放電時間を設定する
放電開始:15時
放電終了:18時
充電設定:系統からの充電をしない
注意点
この設定は、系統充電で満充電にする前提 で算出した目標ピーク値を維持できない可能性があります。ストレージパリティ補助金などで系統充電を避けたい案件には有効ですが、目標ピーク値はやや保守的に置く 方が安全です。
Q7. 1日にピークが複数回ある施設では、どう設定すればよいですか?
結論
ピークが朝・昼・夕方など 1日に複数回 出る施設では、「常時充電する」 が有効なことがあります。エネがえるFAQでも、ピークの合間にこまめに系統充電することで、必要な実効容量を減らせる と説明されています。旧FAQでいう 「0時〜0時」 の考え方が、現行UIでは 「常時充電する」 に相当します。
設定例
目標の最大デマンド値:89
放電設定:ピークシフト以外の放電をしない
充電設定:常時充電する
注意点
「常時充電する」は、放電や太陽光充電がない時に、目標ピーク値を超えない範囲でこまめに系統充電する という考え方です。また、料金面では本来は安価時間帯充電が基本ですが、ピークを落とし切れない案件では、終日待機の方が結果が良い ケースがあります。
Q8. 夏だけピークが高い、冬はそうでもない、という場合はどう設定すればよいですか?
結論
そのような案件では、「特定月の蓄電池設定」 を使うのがおすすめです。夏季だけピークカットを強め、その他の月は自家消費寄りにする ことで、電気料金削減率と自家消費率の両立 がしやすくなるケースが紹介されています。
※実際には各種最適制御機能など蓄電池の仕様により実現できるかどうかが決まります。
設定例
7月〜9月
目標ピーク値:89
放電時間:13時〜16時
充電時間:22時〜8時
10月〜6月
目標ピーク値:95
放電時間:17時〜20時 または短め
充電時間:22時〜8時
余剰太陽光が多い月は、必要に応じて右側チェックボックスも活用
注意点
月別設定は、需要パターンの季節差が大きいほど効きます。逆に、年間を通じて負荷がほぼ一定の施設では、月別に細かく触るより、まずは 単一設定で狙いを明確にした方が比較しやすい です。 (faq.enegaeru.com)
Q9. 目標の最大デマンド値は、どう決めればよいですか?
結論
迷ったら、「目標の最大デマンド値を探索」 を使ってください。
この機能は、設定した蓄電池条件で ピークカット可能な限界値 を探索するものです。目標ピーク値欄には 0以外の任意の数字 を入れておけば、シミュレーション後に探索結果へ上書きされます。
設定例
目標の最大デマンド値:89 と仮置き
「目標の最大デマンド値を探索」:ON
シミュレーション実行後、探索結果を確認
注意点
探索結果は、あくまで 現在入力している実効容量・定格出力・効率・需要データ・太陽光データの組み合わせ に対する最適値です。現場での負荷変動や天候変動まで保証するものではないため、実務上は探索値をそのまま採用せず、少し安全側に戻す 運用も有効です。
Q10. 実効蓄電容量、定格入力・定格出力はどう考えればよいですか?
結論
実効蓄電容量(kWh)=1日に使える蓄電量 (※カタログ掲載の定格容量と異なる)
定格入力・定格出力(kW)=1時間あたりにどれだけ充放電できるか
です。エネがえるFAQでは、1日合計の最大余剰太陽光が実効容量(kWh)の参考値、1時間あたりの最大余剰が充電容量(kW)の参考値 と案内されています。また、診断レポートの実効容量は 「1日の充放電に使う量」 であり、実際に提案する蓄電池の定格容量は、そこに 放電深度やBCP用余力 を加味して考える整理が示されています。 (faq.enegaeru.com)
設定例
実効蓄電容量:234kWh (定格容量260kWh×DoD:放電深度0.9)
定格入力(充電):100kW
定格出力(放電):100kW
注意点
・定格容量はカタログに掲載されているが実効容量が不明な場合は、「メーカー営業担当に確認する」または、急ぎの場合は「定格容量×放電深度0.8~0.9=実効容量kWh」として推定して入力してください。例えば、500kWhがカタログ掲載の定格容量の場合の実効容量の目安は×0.8-0.9の400kWh~450kWhを実効容量としてエネがえるに登録してください。※実際に使える容量を入れる。
・BCP対策で、定格容量500kWhのうち100kWhはBCP対策用に除外しておく場合は、500kWh-100kWh=400kWhを実効容量としてエネがえるBizに入力してください。こうするとBCP対策用の容量は除外して経済効果を試算しているとお客様に案内可能です。
Q11. 蓄電池の効果(結果)はどこをどう見ればよいですか?
結論
まず月毎の電力量内訳のグラフと数値を見てください。
導入前(太陽光のみ)と導入後(太陽光+蓄電池)の数値を比較
自給率(消費電力量基準)は上がったか?・・・自家消費最大設定の場合
自家消費率(発電電力量基準)は上がったか?・・・自家消費最大設定の場合
※太陽光発電余剰率は下がったか?(蓄電池に余剰充電)・・・自家消費最大設定の場合
電気料金削減率は上がったか?・・・全パターン共通
月別最大デマンド値(最大・60分値)は下がったか?・・・ピークカット設定の場合
の4つです。
グラフの色の意味:
・左側の薄いグレーが導入前の電力消費量。右側が導入後の結果。以下が効果の種類です。
・濃青=購買電力量、オレンジ=太陽光の自家消費、黒=太陽光余剰、黄=蓄電池への余剰電力充電、黄緑=蓄電池からの放電による自家消費。
・購買金額が下がっているか、最後に 自家消費・余剰・蓄電のバランスが狙いどおりかを順番に見てください。
自家消費率重視のとき:自家消費率や自給率 を最優先で確認
ピークカット重視のとき:月別最大デマンド値(最大・60分値) を最優先で確認
どのパターンでも:電気料金削減率 を必ず確認して経済メリットを確認
注意点
設定を変えたら、都度、パターンごとに名前をつけて別名保存しておくと便利です。
自家消費最大の設定の場合、ピークカット優先の場合、蓄電池容量を変えた場合など複数パターンでシミュレーション結果を確定して、パターンごとに保存しておくと、お客様から「こういう場合はどうなるか?」と聞かれた場合でも即時に、それぞれ比較した結果「今回は、自家消費最大で蓄電池併設するのが累積のメリットが最大化します」と提案できます。
補足:旧FAQの「0時〜0時」「同じ時刻を入れる」は、現行UIではどう読み替えればよいですか?
結論
旧FAQの表現は、現行UIでは次のように読むと分かりやすいです。Bizのロジック自体は変わっていません。 (faq.enegaeru.com)
旧:充電 0時〜0時
→ 現:常時充電する旧:放電 0時〜0時
→ 現:常時放電する旧:充電開始と終了に 0以外の同じ値
→ 現:系統からの充電をしない旧:放電開始と終了に 0以外の同じ値
→ 現:ピークシフト以外の放電をしない
