試算結果が違うときは、最初に「何の数値を」「どの診断・期間で」比べているかをそろえましょう。原因は、設備条件・料金条件・表示する効果の範囲・ファイルの版などで異なります。差の大きさだけでは原因を判断できません。
まず用意するもの
ご利用の製品(ASP/Biz/EV・V2Hなど)
比較する2件の診断IDと、両方のレポート・画面
異なる項目名、数値、単位、対象期間
変更した条件と、診断作成日・出力日
再計算・上書きする前に、元の資料を保存してください。分かる範囲の情報で構いません。
1. 同じ太陽光容量なのに、年間発電量が違う
合計kWではなく、各面の設置条件と発電量の定義を比べます。
太陽光6kWという数字は設備の大きさです。年間に何kWh発電するかは、日射地点、各面の容量・方位・傾斜、設計係数、発電量の直接入力などの条件で変わります。南向き6kWと東西3kWずつは、同じ合計容量でも同じ設置条件ではありません。PCS(パワコン)の出力・変換効率や蓄電池構成も確認しますが、表示する太陽光発電量と、損失を差し引いた利用電力量・経済効果は分けて比較してください。
2案の診断IDと、比較している発電量の項目名をそろえる
日射地点と、全ての面の容量・方位・傾斜を横並びにする
年間値・月別値を直接入力しているか、PCS損失の前後どちらの値かを確認する
PCS出力、変換効率、設計係数を実際の設備条件と照合する
差が4~5%だから変換損失、と差率だけで原因を決めないでください。ハイブリッド蓄電池では画面入力のPCS効率とは別の内部効率を用いるため、効率100%への変更で必ず一致するわけでもありません。
詳しいFAQ:同じパネル容量で発電量が違う場合 / メーカー予測・実績発電量の入力
2. 大きい蓄電池の方が、効果が小さい・同じ
蓄えられる量と、実際に使える量は別です。
蓄電池を大きくしても、充電する余剰電力が足りない、放電する時間の需要が少ない、放電時間や出力に制約がある場合は、追加した容量を十分に使えません。型番が変われば、実効容量だけでなく効率や待機電力なども比較対象になります。
容量の単位kWhと、充放電出力の単位kWを区別する
メーカー・シリーズ・型番、実効容量、充放電時間、運転モードをそろえる
太陽光からの充電量、系統からの充電量、放電して使う量を別々に見る
試算年数、FIT期間と終了後の年数、買電・売電単価が一致するか確認する
実際の暮らしや機器仕様と違う設定に変えて、望ましい順位へ合わせないでください。容量の増加が停電対策などに持つ価値と、電気料金上の効果も分けて検討します。
詳しいFAQ:蓄電池導入効果の計算方法
3. 前回と同じ条件なのに、再試算で金額が変わった
プラン名に加え、適用単価と保存・編集の時点を確認します。
同じ料金プラン名でも、使われた単価や契約容量が一致しているとは限りません。まず買電量・売電量が変わったのか、それとも電力量は同じで金額だけが変わったのかを分けます。電力量まで変わっている場合は、料金以外の入力差も確認が必要です。
旧レポートを保存し、診断作成日・出力日・再計算の有無を記録する
基本料金、段階別・時間帯別単価、燃料費調整、再エネ賦課金、売電単価を比較する
Bizは施設の作成・料金プラン編集の時点と、Excelの単価取得日を確認する
期間をまたいで設備差だけを比べたい場合は、比較用の単価条件を固定する
Bizでは2026年4月8日以降、施設に保持された単価を用いる仕組みです。単価を保持していない旧試算や施設の料金プラン編集等は扱いが異なります。「再計算すると必ず最新単価に更新」と全製品へ一般化しないでください。
詳しいFAQ:使用量入力と料金の基準月 / Bizの料金単価保持・再試算の仕様
4. 画面・p7・p9で、長期効果の金額が違う
蓄電池を追加した効果と、既設太陽光を含む参考値を見分けます。
2026年4月1日以降の対象診断では、Webの長期シミュレーション結果とレポートp7の主表示は蓄電池単体の追加効果です。p9には既設太陽光の自家消費効果を含む参考値が残っています。見分ける目印は「自家消費含む」です。
新設太陽光の提案か、既設太陽光への後付けかを確認する
ページ番号に加え、項目名と「自家消費含む」の注記を見る
期間・上昇率・売電条件をそろえ、同じ比較基準同士を比較する
蓄電池の回収を判断する際は、蓄電池あり/なしの収支差と追加費用を比較する
ページ構成は版によって異なるため、実際の項目名を優先してください。同じ基準・同じ条件のWeb画面とレポートが一致しない場合、この説明だけで正常とは判断できません。
詳しいFAQ:既設太陽光への蓄電池後付け:最新の表示仕様
5. 発電量と、自家消費・蓄電・売電の合計が合わない
足し算の前に、電気の流れのどこを数えた値か確認します。
パネル側の発電量とパワコン通過後の量、蓄電池へ入る充電量と蓄電池から出る放電量は同じ値ではありません。また、系統から買った電気を充電する場合は、太陽光由来の充電と分ける必要があります。自家消費率では分子だけでなく分母の定義も確認します。
公式FAQで説明している表示では、太陽光発電量は変換損失を引く前の値で、過積載時にピークカットされて使われない分も含みます。自家消費・売電は損失後、蓄電池への充電は損失前の値です。製品・画面ごとの項目定義を確かめ、PCS効率の違いだけで表示発電量の差を説明しないでください。
全ての値を同じ期間・単位へそろえる
発電量がDC側かAC側か、損失の前か後かを確認する
太陽光→蓄電池、系統→蓄電池、蓄電池→家庭を分ける
充電量とその後の放電量を同じ合計に二重加算していないか確認する
残った差を全て損失や丸めとして処理しないでください。算式・内訳が分からなければ、対象画面と数値をそのまま保存して確認します。JSONの未出力項目もゼロとは扱いません。
詳しいFAQ:発電量入力のDC/ACと変換効率 / ASPのJSON比較・確認方法
6. 月額×12、累計額の月割りと、表示が一致しない
初年度の月額と、条件が変わる長期累計は単純に換算できません。
長期効果には、電気代上昇率やFIT終了後の売電条件など、年によって変わる前提が含まれます。初年度の月平均額を年数分かけた結果とは一致しない場合があります。また、電気代の節約額と売電収入を含む効果額も別です。
月平均・特定月・年額・累計のどれかを確認する
評価年数、FIT中と終了後の期間、上昇率をそろえる
買電費の削減だけか、売電収入の増減も含むか確認する
丸め前の値を合計したのか、表示値を合計したのかを確認する
現在のASPの電気代上昇率初期値は3%ですが、実際の診断に保存された設定を確認してください。初期値は変更可能な想定であり、将来の料金上昇を保証するものではありません。
詳しいFAQ:電気代上昇率の設定 / 節約額と効果額の違い
7. 実際の電気料金明細と、試算の電気代が違う
生活スタイルを変える前に、契約容量と料金内訳を確認します。
請求書の電気代には、契約容量・基本料金・電力量料金・各種調整額・割引などが関係します。さらに、請求書の使用期間とシミュレーションの対象期間が違う場合もあります。太陽光が既設の世帯では、家庭全体の消費量と電力会社からの買電量を区別することも重要です。
契約アンペア・kVA・kWと、試算側の前提を照合する
実契約が標準プランか、個別単価・割引のある契約か確認する
請求対象期間、燃料費調整、賦課金、税込/税別をそろえる
円をkWh欄へ入力していないか、既設/新設を取り違えていないか確認する
請求書と違うから生活スタイルが原因、と先に決めないでください。定額部分がある料金では買電削減が同じ比率の料金削減にならないことがありますが、不明な固定額の重複などは別途調査が必要です。
詳しいFAQ:料金の基準月と適用単価 / 自家消費が増えても効果が小さい:定額料金の確認
8. CSVを入れたら、電力量が2倍・半分になった
最初に、元データの単位と1コマの時間を確認します。
30分平均の電力kWを30分の電力量kWhへ変える場合は、0.5時間をかけます。一方、すでに30分のkWhで出力されたデータは、そのまま電力量です。同じ「30分値」でも、単位が違えば変換方法が変わります。
元データの列見出し・単位・説明書を確認する
平均kWの30分値の場合だけ、kWh=kW×0.5で変換する
変換前後の年間合計と、元データの請求期間・欠測・重複を確認する
現在適用中のCSVのファイル名・登録日を確認する
2倍差だから必ず単位ミスとは限りません。既にkWhの値を再度0.5倍しないでください。Bizは30分入力値を内部で1時間単位へ処理するため、入力解像度と出力の時間集計も区別します。
詳しいFAQ:30分デマンドkWをkWhへ変換する方法 / 適用中CSVのファイル名・登録日の確認
9. 1円・数kWhの差なら、端数として扱ってよい?
差の小ささだけでは判断できません。
月ごとの表示値を丸めてから合計する場合と、小数を含む元の値を合計してから丸める場合では、合計に差が出ることがあります。ただし、小さな差が全て丸めによるとは限りません。ローン比較では返済方式やボーナス加算条件なども別に確認します。
差のある項目と単位、比較期間を特定する
画面の表示桁数と、可能なら丸め前の値を確認する
税・割引・料金内訳・集計順序を確認する
ローンは金利だけでなく、返済回数・方式・端数処理・ボーナス加算を確認する
原値や計算過程が取れない場合は「丸めと考えられる」段階にとどめます。融資会社の正式な支払条件を、簡易試算だけで置き換えないでください。
詳しいFAQ:JSONの値・表示値・未確認事項を分ける比較手順
10. PDF・Excel・Web画面・JSONで数値が違う
同じ診断ID・出力版・項目を対応させます。
画面を編集した後に以前のPDFを開いている、年額と月平均を比較している、同名でも違う計算段階のJSON項目を読んでいる、といった場合があります。ファイル名だけで同じ版と判断せず、診断ID・診断日・出力日を対応させてください。
A・Bの診断ID、作成日、出力日、再計算の有無を並べる
Webの項目名とレポートのページ・シート・セルを記録する
JSONは入力条件と計算結果を分け、同じケース・モードの値を対応させる
同じ条件で差が残る場合は原本を保持して、差のある箇所をサポートへ共有する
JSONで一致しているのは出力された範囲です。内部係数や計算ロジックの版まで同一とは証明できません。AIの原因推定も、数値・画面・再現結果で確認してから顧客説明に使います。
詳しいFAQ:ASPのJSON比較ガイド / 画面とレポートの比較基準
確認しても一致しないとき
同じ診断・項目・条件で差が残る場合は、一般的な仕様だけで正常とは判断せず、画面右下のチャットへご相談ください。確認済みの差分と、まだ確認できていない点を分けてお伝えいただけると調査が進めやすくなります。
送信例:[製品]/[診断A・BのID]/[異なる項目・数値・単位]/[変更した条件]/[両方の資料]
確認基準日:2026年10月1日。個別の原因は診断原本で確認します。
