エネがえる(国際航業)が2026年11月以降の料金で、浄水場・下水処理場(日量1万/5万/20万m³)と配水ポンプ場の電気を1時間単位で試算しました(7施設×関東・関西・九州×運用2×蓄電池3×電気代上昇3=297ケース)。提案・顧客説明の要点をまとめます。詳細と前提・出典は記事をご覧ください:上下水道の電気代はどこで削れる?297ケースを実試算
結論(打ち手の順番)
運用:配水池でポンプをならす。需要に合わせて動く配水ポンプを、その日の平均の流量で運転すると、契約電力が浄水場で約8%、配水ポンプ場で約27%下がり(合成した需要の形の場合)、基本料金が年約43万〜683万円(税抜)下がりました。投資はほぼゼロですが、実量制のため効果が出るのは1年続けた後。必要な貯留は平均流量の約1.5〜2.9時間分。
省エネ:配水ポンプのインバータ化。配水分の電力を10〜25%削減する場合、単純回収は関東で約1.8〜8.5年。ポンプの更新時に組み込むのが基本。
創エネ:太陽光。全99ケースで回収約6.5〜9.4年。24時間需要があり、自家消費率は99%以上。ただし置ける面積の限界で電力の約4〜15%。覆蓋・池の上の架台で設置費が4割上がると約10年。
下水は消化ガス発電。日量5万m³(290kW、電力の約23%相当)で、FIT売電(2026年度 35円/kWh)なら回収約5.9年、自家消費なら約9.4〜10.4年。2026年度のFIT新規認定(1,000kW未満)の地域活用要件と、売った電気の環境価値が施設に残らない点は要確認。1,000kW以上はFIP。
蓄電池は後回し。198ケースすべてで15年では回収できず(損益分岐は最大約12.8万円/kWh、想定14万円/kWh、ピークカットは完全予見の7割の仮定)。配水池でならした後は電池の価値が約5分の1。停電対策は自家発電とUPSが主役で、一般的な蓄電池の切替は無停電ではありません。
DRは上乗せ。容量市場(発動指令電源、2029年度向け約定価格×受け取り50%の仮定)で電気代の約0.2〜2.0%。配水池のある浄水場・ポンプ場が向きます。
説明に使える数字
電気代は水1m³あたり約3〜15円(税抜、いまの運用)。全国の給水原価182.84円・汚水処理原価147.82円(令和6年度決算)の約2〜10%。
上下水道で日本の電力の約1.5%(年約150億kWh、環境省)。
日量5万m³の浄水場(関東)で、運用の見直し+インバータ化+太陽光600kWを行うと、投資約1.59億円を含めても20年で約4.7億円(水1m³あたり約1.3円)安くなる試算。
太陽光1kWhが減らす電気代は、関東で電力量料金分約21.0円、基本料金分を含め約22.6〜25.2円(税抜、初年度)。オンサイトPPA(15円/17円、20年固定の仮定)と比べると、20年で自己所有がPPAの約1.1〜1.5倍残る。PPAは初期投資と維持管理を事業者が持つ。
提案前の確認事項(お客さまへの案内に)
施設ごとの30分値(1年分)と、年間の最大需要が出た日時
配水池の容量・運用水位の上下限、水圧・残留塩素・滞留時間の制約
ポンプ・送風機の台数・制御方式(バルブ・台数・回転数)と更新時期
太陽光の置き場所(屋根・用地・覆蓋・池の上)と維持管理の動線
消化槽の有無、消化ガスの発生量と利用率(発電・加温・余剰燃焼)
契約種別(高圧・特別高圧)と料金メニュー、補助・公営企業債(脱炭素化推進事業)の活用予定
エネがえるでの試算
施設の30分値をもとにした太陽光・蓄電池のピークカットの試算はエネがえるBiz、複数施設の試算は代行(BPO)でも対応します。配水池の運用の見直し・インバータ化・消化ガス発電・DRは、記事の方法で別に比較してください。数値は試算モデルの値で、施設の需要・料金・制度・設置条件によって変わります。
