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農業ハウスのヒートポンプ・太陽光・蓄電池は元が取れる?81ケース試算の要点(2026年11月)

施設園芸の加温をハイブリッド化する効果、効率と設備費の感度、低圧に収まる台数、太陽光・蓄電池・営農型太陽光の考え方と、農家・JAへの提案時の確認事項

対応者:樋口 悟

エネがえる(国際航業)が2026年11月以降の料金で、施設園芸ハウスの加温を1時間単位で試算しました(関東・九州のいちご・トマト・バラ×10a〜1haの4規模+北海道の1ha、A重油100・120・140円/L=81ケース、電気・燃料とも年2%上昇、補助なし、税込)。提案・顧客説明の要点をまとめます。詳細と前提・出典は記事をご覧ください:農業ハウスのヒートポンプ・太陽光・蓄電池は元が取れない?81ケースを実試算

結論

  1. ヒートポンプ(重油暖房機と併用するハイブリッド加温)は品目と燃料価格で分かれる。基準条件(定格COP4.0・霜取りによる効率低下なし・設備費240万円/20馬力)では81ケース中56が15年以内に回収。関東・10a・A重油120円/Lでバラ約3.4年、トマト約6.5年、いちごは回収せず。

  2. 効率と設備費で結果は大きく動く。霜取り(外気2℃以下で効率×0.9)を含め、定格COP3.2〜4.0×設備費4.3〜8万円/kW(暖房能力)で見ると、15年以内の回収は81ケース中20〜49。元が取れるA重油価格の中央値は約105〜144円/L(2026年3月の農業物価統計は141.4円/L)。見積の1kWあたり単価と寒い夜の実際の効率の確認が必須です。

  3. 台数は低圧(50kW未満)に収まる範囲が基本。1haで40馬力(低圧)は18ケース中17が回収。200馬力まで増やして高圧受電にすると、冬の夜の最大需要で契約電力(実量制)が決まり基本料金が1年中かかり、受電設備費(1,000万円と仮定)も加わって27ケース中13にとどまりました。

  4. 太陽光は「昼に電気を使う施設」から。作業場の屋根の太陽光(10a・10kW)の自家消費率は約33%で、暖房は夜のためヒートポンプを入れてもほぼ変わりません。換気を通年回す鶏舎などは自家消費率が高く有利(需要は仮定)。

  5. 蓄電池は電気代だけでは回収しない。昼の余りを夜に回す価値は1kWhあたり約4.5万〜9.1万円で、想定価格15.4万円/kWh(税込)を下回りました。

  6. 営農型太陽光は制度の確認が先。売電だけで成り立たせるには1kWhあたり約16〜22円が必要との試算。2024年4月施行の新ルール(一時転用許可の期間、単収の減少2割以内などの要件)を農林水産省の資料で確認してください。

説明に使える数字

  • 農業経営費に占める動力光熱費:施設ピーマン28%、施設温州ミカン36%、施設ばら28%、稲作7%(農林水産省「施設園芸をめぐる情勢」)。施設大玉トマトは部門経営費の11.7%(営農類型別経営統計R5)。

  • 元が取れるA重油価格(基準条件):バラ約70〜115円、トマト約80〜135円、いちご約95〜240円/L。

  • 施設園芸セーフティネットは燃料が高い年の補塡で、使用量は減らないため、ヒートポンプとは組み合わせて使うもの。

提案前の確認事項(お客さまへの案内に)

  1. 品目・設定温度・加温期間、ハウスの面積と被覆・カーテンの層数

  2. 過去の燃料使用量(月別)と購入単価

  3. 電気の契約(低圧電力・従量電灯・高圧)と契約電力、50kWまでの余裕、受電設備の有無

  4. ヒートポンプの見積(台数・暖房能力・1kWあたり単価・工事費)と、外気温別の能力・効率

  5. 補助(国・県・市町村)とセーフティネットへの加入状況

  6. 太陽光の置き場所(作業場・倉庫の屋根、農地)と昼の電気の使い方

エネがえるでの試算

作業場・施設の太陽光と蓄電池の試算はエネがえるBiz、複数施設の試算は代行(BPO)でも対応します。ヒートポンプによる加温の比較は記事の方法で別に行ってください。数値は試算モデルの値で、施設・料金・燃料価格・制度・機器によって変わります。

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