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「病院・介護施設の太陽光・蓄電池は元が取れる?」と聞かれたら(停電対策と給湯の電化まで198ケースの試算より)

有床診療所・特養・中小病院・大病院を11施設モデル×太陽光2×蓄電池3×上昇率3の198ケースで試算した結果をもとに、太陽光・蓄電池・停電対策(発電機との役割分担)・給湯の電化の説明ポイントをまとめました。

対応者:樋口 悟

エネがえるが公開した試算記事「病院・介護施設の太陽光・蓄電池は元が取れない?停電対策と給湯の電化まで198ケースを実試算【2026年11月最新単価】」の要点を、販売施工店・EPCの皆さまがお客様(病院・介護施設)へご説明する際の参考としてまとめました。数値は合成した施設の需要プロファイルによる傾向で、個別の施設の結果を保証するものではありません。

3つの答え

  1. 太陽光は、病院・介護施設なら元が取りやすい見込みです。太陽光のみの66ケース(11施設モデル×太陽光2通り×電気代上昇率3)すべてが、保守費・交換費込みで13.2年以内に回収し、中央値は8.5年でした。夜も需要の約6割が残るため、発電をほぼ余らせません(自家消費率99.8%以上)。ただし病院では、まかなえる電気は数%にとどまります。

  2. 蓄電池は電気代の削減だけでは元が取りにくく、発電機の代わりにもなりません。蓄電池を足した132ケースのうち、上乗せ分が15年以内に回収できたのは6ケース(うち5ケースが関東の特養)。停電時は出力(kW)が重要負荷を下回ると0時間です。蓄電池の価値は停電時の切替と燃料の節約ですが、発電機が立ち上がるまでの数十秒を途切れさせない(0.5秒以内)には無停電で切り替わるUPS構成が必要で、ピークカット用の一般的な産業用蓄電池の自立切替では足りないことが多い点にご注意ください。

  3. 太陽光の次は給湯の電化と貯湯槽。給湯をヒートポンプにし、貯湯槽で需要の谷の時間に沸かすと、年間の差額は特養で約42万円、中小病院で約103万円、大病院で約242万円(関東、都市ガス税込120円/m3・COP3.0の仮定、機器費は含まない)。貯湯槽なしで昼に沸かすと差額はおよそ半分、ガス90円/m3・COP2.5では逆転します。

押さえたい数字

項目

試算結果

太陽光の回収年数(保守費・交換費込み)

5.8〜13.2年(中央値8.5年)。エリア別中央値は関西7.7年・関東8.5年・九州9.1年。中小病院の屋根80kW(関東)は約7.3年、20年の手残り約2,784万円

太陽光でまかなえる電気の割合

有床診療所 約9〜16%、特養 約18〜26%、中小病院 約4〜9%、大病院 約3〜6%(屋根のみ〜屋根+カーポート)

蓄電池で元が取れる価格(高圧、15年)

現実的な制御で中央値 約5.4万〜12.6万円/kWh(想定14万円/kWh、税抜)。有床診療所(低圧)は待機電力の分だけ削減額がマイナス

停電時(蓄電池+屋根の太陽光だけ)

中小病院(重要負荷120kWと仮定):160kWh・出力80kWで0時間、出力160kWで約1.3時間。3時間守るには約380kWh(約5,350万円)。特養:24kWhで約2.9時間

発電機と組み合わせた場合

72時間の重要負荷のうち屋根の太陽光が賄う割合は特養 約41%(燃料が約1.7倍もつ)、中小病院 約10%(約1.1倍)。太陽光が発電機と連系できる設計が前提

統計・制度(参考)

中医協 第25回医療経済実態調査:一般病院の損益差額 −7.3%、水道光熱費は収益の2.1%で前年度比+5.3%(医業収益は+2.5%)。介護施設のBCPは2024年4月から義務。未策定の減算は2024年度に新設され、2025年3月までの経過措置を経て、現在は施設・居住系で所定単位数の100分の3、その他は100分の1

前提:有床診療所(低圧40kW、関東・九州)、特養(高圧60kW)・中小病院(高圧400kW)・大病院(高圧1,200kW)は関東・関西・九州、電気代上昇率1〜3%、税抜。重要負荷の比率・給湯量・ガス単価・COPは仮定です。

トーク例(断定を避けた言い方)

  • 「病院は夜も需要が残るので、屋根の太陽光の電気をほぼ全部使い切れます。公開試算では保守費込みで8年前後で回収する傾向でした。30分デマンドデータで確認させてください。」

  • 「蓄電池は電気代だけでは勧めにくいという結果です。停電対策として検討するなら、何を・何秒以内に・何時間守るかを決め、蓄電池の出力が重要負荷を上回るか、切替時間が足りるかを確認しましょう。主役は発電機で、瞬時の切替が必要な機器はUPSで守ります。」

  • 「給湯器の更新が近ければ、ヒートポンプと貯湯槽への切替が太陽光の次に効く可能性があります。ガスの検針票と給湯器の容量を教えていただけますか。」

  • 「何もしなければ、電気代が年2%上がるだけで中小病院では20年で約2.3億円の負担増になる試算です。診療報酬は電気代に連動しません。」

エネがえるBizで同じ比較をするポイント

  • お客様の30分デマンドデータ(1年分)を取り込み、年間の最大需要が出る時刻と長さを確認します。データがない場合は業種別ロードカーブを使い、その旨をお客様に伝えます。

  • 屋根のみ/屋根+カーポート/+蓄電池のパターンを作り、蓄電池の上乗せ分で回収できるかを確認します。蓄電池は電気代の削減と停電対策の価値を分けてご説明ください。

  • 給湯の電化を見込む場合は、ヒートポンプの電力を加えた需要で太陽光・蓄電池の試算をやり直し、契約電力が上がらない運転(貯湯槽)を前提にします。

  • 電気料金の単価・上昇率・保守費などの前提条件を提案書に明記します。

ご注意

  • 記事の数値は合成プロファイルによる傾向で、個別施設の結果ではありません。「必ず元が取れる」「停電しても安心」とはお伝えにならないでください。

  • 停電時に太陽光を使うには、自立運転機能や発電機と連系できるパワーコンディショナ、切替盤が必要です。ピークカット用の蓄電池は自立運転への切替に時間がかかる機種が多く、切替時間は機種ごとに確認が必要です。生命維持装置などの医療機器の電源は、病院の電気設備の安全基準(JIS T 1022)と施設の医療安全・臨床工学の担当者の判断に従ってください。

  • 給湯の電化の差額は機器費・配管工事・既存ボイラの撤去や維持費を含みません。滅菌の蒸気は試算の対象外です。

  • 有床診療所は全量を低圧電力で計算しています。電灯契約が別にある場合は結果が変わります。

お問い合わせ

チャットサポート:24時間365日受付(有人対応は平日9:00〜17:00)/TEL:070-3669-8761/Mail:info@enegaeru.com

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