自治体の担当者やお客様から「この補助金は費用対効果があるの?」「CO2 1トンあたりいくら?」と聞かれたときに使える要点です。エネがえるがこれまで公開した試算シリーズのケース別データ(家庭用蓄電池・V2H・住宅太陽光・エコキュート・乗用EV・商用EV・産業用太陽光・産業用蓄電池・公共施設の太陽光)について、9種類の設備・10の補助制度、元の試算1,515ケースを評価単位1,893(補助の条件違いを含め3,072通り)として、2026年11月時点の電気料金・補助制度と令和6年度実績の排出係数で再集計した結果にもとづきます。数値は試算条件つきの目安です。詳しくは記事「再エネ補助金の費用対効果は?CO2削減1トンあたりの補助額を9種類の設備・10の補助制度で実試算」をご覧ください。
3つの答え
CO2 1トンあたりの公費は補助によって約80〜90倍違う。エコキュート2,738円、住宅太陽光(自治体5万円/kWと仮定)4,737円、産業用太陽光4,763円、公共施設(交付金1/2と仮定)11,027円、乗用EV 73,009〜116,374円、商用EV 220,062円(排出係数はいまのまま、全ケース合計)。産業用蓄電池の243,431円は、216件中144件でCO2が増え合計がわずかにプラスになるだけの参考値で、除くと差は約80倍です。
安い補助ほど「補助がなくても回収できる」ケースが多い。回収の目安(家庭・自治体15年、企業10年)で判定すると、エコキュート・住宅太陽光・公共施設は全ケース、産業用太陽光は95%が補助なしでも回収できました。補助が決め手になる割合は、東京都の蓄電池補助(全国に当てはめた場合)64%、V2Hの国+東京都55%、乗用EV 49%です。
家庭用蓄電池・V2HはCO2の数え方で評価が変わる。平均の排出係数では充放電の損失の分だけCO2が増え、出力制御で捨てられる電気をためた場合の上限でも1トン2.7万〜17.7万円です。停電への備え・DRなど、CO2とは別の物差しで評価する考え方もあります(論点)。
押さえたい数字
項目 | 試算結果 |
回収の目安で結論が変わる | 産業用太陽光の補助が決め手になる割合:目安10年で4%、7年で26%、5年で45%。住宅太陽光:目安15年で0%、10年で46〜51% |
家庭用蓄電池の必要補助額 | 15年で回収するには中央値で1kWhあたり約8.5万円(15万円/kWh・税込の場合) |
EVは走行距離・使用年数で変わる | 軽EVは年2万kmで1トン約4.3万円、年5千kmで約17.3万円(10年保有で計算。13年使うと約2割安くなる)。商用の軽バン約4.1万〜4.2万円、2tトラック約37万〜46万円 |
電気の低炭素化の影響 | 2030年に0.25kg/kWh(業界団体の見通し)へ下がると、住宅太陽光は4,737円→7,736円に上がり、乗用EVは116,374円→91,707円に下がる |
エリア差 | 住宅太陽光は沖縄3,283円〜東北5,512円。乗用EVは中部約10.2万円〜沖縄約17.6万円 |
比較の目安 | J-クレジット(再エネ・電力)4,699円/t(東証、2026年10月5日終値) |
説明例(断定しない言い方)
「この地域の条件では、太陽光は補助がなくても約10年で回収できる試算です。補助は回収を1〜2年早める効果があります。」
「蓄電池は補助がないと15年では回収しにくく、補助が導入の決め手になりやすい設備です。CO2だけでなく、停電への備えとしての価値もあわせてご検討ください。」
(自治体向け)「1トンあたりの公費だけで比べると、補助なしでも導入される分まで成果に数えてしまいます。決め手になる件数と、減るCO2を分けて示すと説明しやすくなります。」
エネがえるで補助の効き方を示すポイント
補助あり・なしの2パターンを作る:同じ条件で補助金額だけを変えた試算を並べ、回収年数の差を示します。
お客様が許せる回収年数を先に聞く:「何年で元が取れれば入れたいか」を確認すると、補助が決め手になるかを説明できます。
地域の料金プランで試算:補助の効き方とCO2はエリアで変わります。全国平均ではなく実際の料金・地域で試算してください。
自治体の制度設計には試算代行(BPO):地域モデル世帯・業種別の多数ケースの試算や、予算要求向けの資料作成は試算代行で対応できます。
注意
東京都の蓄電池・V2H補助は都内のみの制度です。記事の全国の値は「同じ設計を全国に当てはめた場合」の参考値です。
国のV2H補助(令和7年度補正)は2026年8月27日到着分で受付終了、CEV補助は令和8年12月上旬〜下旬に受付終了見込みで、2027年1月以降の登録は減額です。給湯省エネ2026(エコキュート基本7万円、電気温水器撤去+2万円)は予算上限まで(遅くとも2026年12月31日)。最新の受付状況を確認してください。
回収の目安・寿命・エコキュートの消費電力の比(3倍。2.5〜3.5倍で1トン約2,190〜3,650円)などは仮定値です。導入の判断は回収年数以外の要因(初期費用・情報・停電への不安など)にも左右されます。
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