最初は比較する2車種と実際の使い方をそろえ、シミュレーションを1件作ってみましょう。結果の大小だけでなく、「何を含めて計算したか」「どの条件で結論が変わるか」を説明できるところがゴールです。
このガイドはEV・PHV・ガソリン車等の総保有コストを比較する「エネがえるEV TCO」向けです。住宅の太陽光・蓄電池・V2Hによる電気の流れを診断する「エネがえるEV・V2H」とは、画面・入力項目が異なります。
画像は公式製品ページで公開している2026年10月1日の操作・出力例です。架空条件であり、画面間の車種や条件が異なる場合があります。表示額は相場・個別見積・効果の保証ではありません。実際の画面表示を確認しながら進めてください。
最初に用意するもの
比較する車種・グレードと購入価格
保有予定年数と年間走行距離
自宅と外部の充電場所、料金単価・月額料金、利用割合
ガソリン単価
補助金の確認状況、想定残価の根拠
分かる範囲の税・保険・駐車場・整備費、充電設備と工事費
すべて確定するまで待つ必要はありません。ただし、標準値や仮置きした項目は分かるように残し、正式な提案前に確認してください。数値を有利な結論に合わせるのではなく、お客様の使い方に合わせます。
1. ホームの「新規診断を開始」から始める
ホーム画面の「新規診断を開始」を選びます。作成済みの診断は「一覧」から探せます。
ホームの「新規診断を開始」と「一覧」。 出典:エネがえるEV TCO公式ページ(2026年10月1日保存の公開例)。
STEP1:シミュレーション名
後で一覧から区別できる名前を入力します。練習なら「練習_5年_走行12000km_補助なし」など、比較条件が分かる名称がおすすめです。不要な個人情報は入れないでください。
STEP2:車両を選択
導入候補と比較対象の車両を選びます。公開画面では導入側にEV(BEV)・PHEV、比較側にガソリン車・HEV・PHEVの切り替えがあります。
「おすすめEVを探す」「おすすめ比較車を探す」は選択の参考情報です。用途・車格・購入条件が比較として妥当かを確認して決めます。画面例の車種をそのまま選ぶ必要はありません。
STEP1〜4と任意費用の入力画面。縦長画像は原寸表示で確認してください。 出典:エネがえるEV TCO公式ページ(2026年10月1日保存の公開例)。
2. STEP3で保有期間・走行距離・充電条件をそろえる
保有年数と走行距離
公開画面の保有年数は1〜10年の入力欄です。最初の練習は5年など、比較期間を一つ決めて進めます。国の補助金の保有要件に関する画面表示も確認してください。
年間走行距離は「km/年」です。月間走行距離や保有期間全体の距離と取り違えないようにします。テンプレートを選ぶと距離が自動入力されますが、実際の利用状況に合わせて手動修正できます。公開画面の「標準提案:12,000km/年」はテンプレート例であり、すべてのお客様の実績ではありません。
電気・ガソリンの単価
「電力会社の料金プランから入力補助」でエリア・電気事業者・料金プランを確認できます。参照される従量単価は参考値として扱い、必要に応じて手入力で調整します。料金プラン以外の単価を使う場合は「カスタム単価から入力補助」もあります。
電気代の昼単価・夜単価は円/kWh、ガソリン単価は円/Lです。外部充電の円/分を、そのまま円/kWh欄へ入力しないでください。
「エネルギー単価の上昇率」は年率です。電気代とガソリン代を別々に設定できます。0%は上昇なしの試算条件で、将来価格が変わらないという予測ではありません。
充電スタイルと夜間充電比率
充電スタイルを選ぶと、夜間充電比率の目安が入力されます。公開画面では「自宅で夜に充電が多い」「自宅と外出先が半々」「外出先・急速充電が多い」「よくわからない」があります。
夜間充電比率は、電気料金の夜間単価を使う比率として試算へ反映されます。目安を選んだ後、詳細設定で実際の割合に合わせて調整してください。「よくわからない」も仮定です。
注意:夜間に充電する割合と、自宅で充電する割合は別の条件です。外出先で充電する費用は、後述の「外部充電費」で確認します。
3. STEP4で補助金と残価を確認する
補助金は、候補と試算への反映を分ける
「補助金を探す地域(都道府県)」と、必要に応じて市区町村を入力し、「補助金情報を取得」で候補を確認します。
表示された候補は、交付・適用・金額を保証するものではありません。対象車両、申請者、受付期間、予算、他制度との併用条件を各制度の公式情報で確認します。
候補は初期状態では未選択で、選択したものだけが試算へ反映されます。「選択した補助金」の件数と「試算へ反映する補助金合計」を確認してください。候補を見つけただけで、試算へ加算されたと思い込まないようにします。
不明な段階では補助金0円で1件作り、適用を確認できた後に別条件として比較できます。手入力で金額を修正した場合は、その区分が固定される旨の画面表示にも注意してください。
残価を考慮するかを決める
「残価を考慮する」は、保有期間終了時の車両価値をTCOから控除する設定です。オフの場合は両車とも残価0円で試算します。
オンにした場合は、採用される残価率と根拠を確認します。必要なら「残価率を手動で調整する」を使います。将来の売却価格は保証されません。残価を含むケースと含まないケースを混ぜず、どちらの前提かを提案時に明示してください。
4. 任意の詳細項目は、分かる費用から設定する
詳細費用
「詳細費用を入力する(任意)」には車両本体価格、税、保険、駐車場、メンテナンス費などがあります。年額と月額が混在するため、各欄の単位を確認します。
表示される標準値・参考値は変更できます。未入力の項目は標準条件で計算されるため、「空欄=費用0円」とは限りません。見積や契約条件が分かる費目は実際の金額に置き換えます。
参考テンプレートを適用すると、詳細費用の入力値が上書きされます。個別に調整した後で適用する場合は注意してください。充電設備費は別欄で設定します。
外部充電費
勤務先・商業施設・急速充電器などを使う場合は「外部充電費を入力する(任意)」を確認します。「自宅充電割合」と「外部充電先を追加」で利用割合・費用を整理します。
公開画面の説明では、未入力・無効の場合は自宅充電100%として計算します。外部充電が多いお客様を、このまま比較しないでください。自宅と外部の割合の合計、残りの表示を確認します。
充電設備費
「充電設備費用を入力する(任意)」では、設備種類、台数、本体価格、工事費、設備への補助金を確認します。表示される導入費用と補助金控除後の実質負担を確認してください。
車両向け補助金と設備向け補助金を二重に控除しないようにします。未入力の場合にも固定の充電設備費用で計算する旨が画面にあるため、入力を省略したときの計算前提も確認します。
5. ミニプレビューを確認し、「シミュレーション」を実行する
入力画面下部の「この入力でのミニプレビュー」は、電気代・ガソリン代の概算です。車両価格、補助金、残価、充電設備費、税・保険・メンテナンス費などを含めたTCOの結論ではありません。
「入力条件の確認」で条件を確認し、「シミュレーション」を実行します。燃料・充電費ではEVが有利でも、総保有コストでは比較車が有利になることがあります。
6. 結果は、差額の向き→期間→内訳の順に読む
結果サマリー・累積費用・感度分析・支払パターン。費用面でガソリン車が有利な架空条件の例です。 出典:エネがえるEV TCO公式ページ(2026年10月1日保存の公開例)。
1. 結論と差額の向き
画面の「どちらがおトクか」と差額の定義を確認します。公開例のBEV−ガソリン車の差額は、マイナスがBEV有利、プラスがBEVの費用が高いことを表します。
2. 月額と期間総額
5年比較のTCO月額は、5年総額を60カ月へ換算した目安です。頭金・金利・返済方式に基づく月々の支払いとは別です。「支払パターン」の月額(PMT)と混ぜないでください。
3. 累積費用と回収
「累積費用差額の推移」で期間内に費用が逆転するかを確認します。「試算範囲内では未回収」は、その期間・条件では逆転していないという意味です。必ず回収できるように条件を変える必要はありません。
4. 年次・初期費用
「年次・初期費用」タブで、購入時の差、各年の電気・ガソリン・維持費、最終年の残価を確認します。残価を控除する設定では、最後の年の費用が大きく下がることがあります。継続的な節約と売却想定を分けて説明してください。
5. CO2
年間の削減量を、月額差額や期間合計と混ぜずに説明します。経済面で比較車が有利でも、CO2ではEVが有利になることがあります。
「年次・初期費用」の費目別内訳。 出典:エネがえるEV TCO公式ページ(2026年10月1日保存の公開例)。
「計算ロジックを見る」から、計算式・前提・差額内訳も確認できます。停電時バックアップの表示がある場合は、想定負荷・残す電池容量・放電効率、車両の外部給電対応と設備費の計上有無を確認してください。時間の目安だけで実機の給電を保証するものではありません。
7. 保存して、提案書の前提を確認する
結果を残すには「見積を保存」、提案書を作るには「提案書を作成」を使います。保存操作後はSIM-ID・保存日時の表示と「一覧」を確認し、作成した条件へ戻れるか確かめてください。
提案書は、結論だけでなく、比較車両・試算期間・年次費用・補助金・残価の前提を確認してから渡します。表示上の丸めや列幅などで見えにくい場合も、元の条件と数値を確認します。
Excel比較提案書のサマリー例。列幅で数値が欠ける箇所や丸め差があるため、金額は元の条件と合わせて確認します。 出典:エネがえるEV TCO公式ページ(2026年10月1日保存の公開例)。
Excel提案書の年次費用詳細。 出典:エネがえるEV TCO公式ページ(2026年10月1日保存の公開例)。
初期費用・補助金・残価・月次キャッシュフローの出力例。 出典:エネがえるEV TCO公式ページ(2026年10月1日保存の公開例)。
ボタン名に「見積」とあっても、試算結果は車両販売の正式見積や補助金の交付決定、将来残価の保証ではありません。
8. 2件目は、一つの条件だけを変えて比較する
最初の結果を控えたら、年間走行距離・ガソリン単価・充電条件・補助金・残価のうち、確認したいものを一つ選びます。
たとえば、年間走行距離を仮に12,000kmで試したなら、お客様が実際に想定する距離へ変えます。他の条件を固定して、総額差と費用内訳がどう変わるかを見ます。結果画面の「感度分析」では、表示されているバーを動かして変化を確認できます。
比較後は、条件名・変更値・結果・残る確認事項を記録します。結論が逆転したら失敗ではありません。「この条件に判断が左右される」と分かったことが、次に確認すべきポイントです。
よくあるつまずきと確認箇所
補助金候補は出たのに、金額が反映されない
候補にチェックしたか、選択件数と「試算へ反映する補助金合計」を確認します。手入力で修正した区分が固定されていないかも見ます。適用条件の未確認と操作上の未選択は別問題です。
残価率の数値があるのに、控除されていない
「残価を考慮する」のオン・オフを確認します。オフでは入力値が保持されていても、残価0円として試算されます。
入力途中の月額と結果の月額が違う
ミニプレビューは主にエネルギー費、結果のTCOは購入費や維持費などを含む比較です。両者の費用範囲を確認します。
電気代が実感と合わない
昼夜単価・夜間比率・外部充電の割合と費用を確認します。自宅充電100%のままになっていないか、円/kWhと円/分を混同していないかを見てください。
費用を調整したのに元の値へ戻った
詳細費用の参考テンプレートを後から適用していないか確認します。適用によって入力値が上書きされる注意書きがあります。
EVが不利、または回収できない結果になった
それも比較結果です。「年次・初期費用」で差の大きい費目を確認し、根拠のある条件だけを見直します。補助金や残価を都合よく増やして結論を合わせないでください。
操作が進まない・表示が説明と違う
入力欄の案内・必須項目・単位を確認します。解決しない場合は、表示中の画面名、操作、エラー文、SIM-IDがあればそのIDを添えてお問い合わせください。画面を共有する際は不要な個人情報を隠してください。
最初の1件の完了チェック
比較車種・保有期間・走行距離が合っている
単価・自宅/外部充電・補助金・残価の前提を確認した
ミニプレビューではなく、実行後のTCOと内訳を確認した
保存した結果と提案書の条件を確認した
条件を一つ変えた比較を説明できる
公式の実画面と機能説明:
https://www.enegaeru.com/ev-tco
住宅の電気代・太陽光・V2Hを組み合わせる場合:
https://www.enegaeru.com/enegaeru-ev-v2h







