メインコンテンツにスキップ

エネがえるコーポレートPPAとは?はじめての方への解説ガイド

エネがえるコーポレートPPAを検討中の方向け解説ガイドです。

樋口 悟 avatar
対応者:樋口 悟
今週アップデートされました

エネがえるコーポレートPPA 解説ガイド

1. プロジェクト概要

「エネがえるコーポレートPPA」は、オフサイトPPA(コーポレートPPA)をはじめとする複雑な電力契約の見積もり業務を自動化・効率化するために開発された専門システムである。

本プロジェクトは、大手不動産およびその子会社である小売電気(PPA)事業者からの、複数需要家施設・複数発電施設・市場連動型プランに対応した自動見積システム開発の相談を起点としている。

国際航業(エネがえる開発元)は、これを受託開発ではなく自社ブランド製品「エネがえるコーポレートPPA」として開発。大手不動産/小売電気事業者から提供される詳細な要件、仕様、見積もりテンプレート、そして継続的なフィードバックを基に、業界全体に横展開可能な汎用性の高いソリューションを目指している。

開発・リリース計画:

  • 無償ベータ版提供: 2026年1月13日 - 2026年3月31日

  • 有償商用版リリース: 2026年4月1日

本製品はすでに

市場から高い関心を集めており、ベータ版提供直後に先行予約受注2件、無料ベータ版登録6社を獲得している。

2. 主な機能と提供価値

本システムは、電力小売事業者が直面する見積もり業務の課題、特に原価管理と提案作成の複雑さを解決することを目的とする。

提供価値

詳細

見積もり業務の劇的な効率化

複数の需要施設と発電所を組み合わせた複雑なシミュレーションを、直感的なインターフェースで迅速に実行。手作業によるExcelでの計算ミスや属人化を排除する。

精緻な原価・粗利分析

電力調達の原価構造を詳細に分解し、見積もりに対する粗利を可視化。これにより、価格競争力と収益性を両立させた戦略的な価格設定が可能となる。

提案品質の向上

詳細なデータに基づいた内訳や、需要カーブと供給電力の状況を示すグラフなどをExcel形式で出力。顧客への提案資料作成の手間を大幅に削減し、説得力のある提案を支援する。

柔軟な料金プランへの対応

市場連動型プラン、固定料金プラン、さらにはベースロード・ミドル電源やPPAを組み合わせたハイブリッド型の供給体系にも柔軟に対応する。

--------------------------------------------------------------------------------

3. 機能詳細解説

3.1. 原価・粗利シミュレーション機能

本システムの根幹をなす機能であり、見積もり(需要家への請求額)と原価(電力調達コスト)を詳細に分析し、事業の収益性を可視化する。この機能は、特に固定料金プランの価格設定において、その真価を発揮する。

3.1.1. 計算ロジックと表示項目

見積もり画面では、「見積もり」と「原価」の表示を切り替えることが可能。これにより、同一のシミュレーション条件における請求額とコスト構造を対比して確認できる。

表示される主要指標:

  • 見積もり金額・単価: 需要家への請求額合計と、使用電力量(ロス後)で割った平均単価。

  • 原価金額・単価: 調達コストの合計と、使用電力量(ロス後)で割った平均単価。

  • 粗利金額・単価: 「見積もり - 原価」で算出される利益額と平均単価。

原価計算の内訳: 原価は以下の項目を積み上げて計算される。

項目

詳細と計算方法

託送料金

託送約款に基づき、基本料金(kW)と従量料金(kWh)を計算。

電源調達費用

ベースロード/ミドル電源: 任意の調達単価(円/kWh)と調達量(kW)を設定。需要を超えて過剰に調達した分は、JEPXスポット価格で売却されたとみなし、その売電額を原価から減算する。
PPA電源: ロス前の発電量に、設定した調達原価単価を乗じて計算。
JEPX調達: ベース・ミドル・PPAでカバーされない需要分を、JEPXスポット価格で調達したものとして計算。

余剰電力売電額(減算)

PPAやベース・ミドル電源で需要を超過した電力量を、該当時間帯のJEPXスポット価格で売却したとみなし、その金額を原価から差し引く。

容量拠出金

契約電力(kW)に対し、設定した単価を乗じて計算。キロワット課金とキロワットアワー課金の両方に対応

環境価値調達費用

ロス後の総使用電力量からPPA供給分(非化石価値を含む)を差し引いた量に対し、証書調達単価(例: 0.4円/kWh)を乗じて計算。

再エネ賦課金

法定の単価に基づき計算。

予備電源

託送約款に基づき計算。

インバランスコスト(予定)

インバランス発生量に対し、設定した単価を乗じて原価に加算。

初期費用(予定)

事務手数料など、原価に計上すべき初期費用を入力・加算。


3.1.2. 割引逆算(ゴールシーク)機能

見積もり担当者が「当てずっぽう」で割引率を決める非効率を解消するための強力な機能。

  • 操作: 原価計算画面で、確保したい「目標粗利」(円または円/kWh)を入力する。

  • 結果: システムが自動的に逆算し、その粗利を達成するために必要な「割引/割増額」を算出・表示する。

  • 表示形式: 算出された割引額について、2通りの指標が表示される。

    1. 従量料金割引: 使用電力量1kWhあたりの割引単価(円/kWh)。

    2. 基本料金割引: 契約電力1kWあたりの月間割引単価(円/kW)。

3.2. 電源構成と供給ロジック

複数の発電施設(電源)と複数の需要施設を組み合わせた、複雑なオフサイトフィジカルPPAモデルのシミュレーションに対応する。

入力項目:

  • 電源種別: 太陽光(PPA)、市場調達電源(JEPX、ベースロード、ミドルロード)などを複数登録可能。

  • PPA電源設定: パネル容量、設置角度、所在地などの情報から発電量をシミュレーション。

  • ベース/ミドル電源設定: 供給量(kW)と供給単価(調達単価・請求単価)を設定。

  • 需要施設設定: 複数施設の30分値需要データを登録。

供給優先順位: 需要に対して、以下の優先順位で電力が供給される計算ロジックとなっている。

  1. ベースロード電源

  2. ミドルロード電源

  3. PPA電源

  4. JEPX(スポット市場)調達

PPA電力の割り振り: 各需要施設に対し、PPA発電量をパーセンテージで割り振る。当初は一施設で余った電力を他施設に融通するロジックも検討されたが、シミュレーションのシンプルさと分かりやすさを重視し、「各施設で割り当てられたPPA電力を消費し、余剰分は売電する」という施設ごとに完結する仕様が採用された。

3.3. UI/UX(ユーザーインターフェース/エクスペリエンス)

実務担当者が直感的かつスムーズに操作できるよう、UI/UXの改善が継続的に行われている。

主要な改善要望と対応状況:

要望内容

詳細

ステータス

入力フローの改善

入力項目を論理的なグループ(①需要施設情報 → ②提案料金プラン → ③電源構成情報)に再編し、上から順に入力すれば完結するようなフローへの変更が求められている。

要件定義・検討中

用語の統一と明確化

「供給施設」→「電源構成情報」、「市場電源」→「市場調達電源」など、業界用語に即した分かりやすい名称への変更要望。

対応中/順次対応

チュートリアル機能

初回入力時に、各入力項目が何を示すかの説明がポップアップ表示される。

実装完了

30分値データの状態表示

データアップロード後、「未選択」ではなく「(ファイル名)登録済み」のように状態が分かる表示への改善要望。

要件確認・対応予定


3.4. レポートとデータ出力

シミュレーション結果は、Web画面での確認に加え、顧客への提案資料として活用しやすいExcel形式でダウンロードできる。

レポート内容:

  • 全体サマリー: 全施設の合計電気料金、コスト削減額、PPA余剰率などを一覧表示。

  • 施設別詳細:

    • 各施設の電気料金内訳(基本料金、電力量料金、再エネ賦課金など)。

    • 電源別の供給電力量(ベース、ミドル、PPA、JEPX)。

  • 365日48コマデータ: 全期間の30分ごとの需要、発電、供給内訳の詳細データ。

  • グラフ表示:

    • 日別需要カーブ: 任意の一日の電力需給バランスをグラフ化。

    • 月別電気料金: 12ヶ月の電気料金推移をグラフ化。

    • 年間平均需要カーブ(追加要望): 365日の平均的な1日の需要カーブをグラフ化。ベースロード電源の最適な投入量を判断するために重要。全体・個別施設の両方で表示が必要。

--------------------------------------------------------------------------------

4. よくある質問(FAQ)

Q.

A.

東電の「ベーシックプラン」など、市場価格と連動する新しい料金プランはシミュレーションできますか?

現時点では未対応です。これらのプランは、毎月変動する時間帯別単価と30分値データを掛け合わせる複雑な計算が必要なため、今後の重要な開発課題として検討を進めています。

シミュレーション開始日を未来の日付に設定するとエラーが出ます。

JEPXの市場価格は過去の実績データを使用しているため、未来の日付のデータが存在せずエラーとなります。未来の日付でシミュレーションを行う場合は、「カスタムJEPX」機能で想定価格データを登録し、それを使用して計算してください。

力率割引は計算に含まれますか?

はい。ご要望に基づき、力率100%の場合に基本料金が15%割引される計算を標準で適用するよう修正を進めています。

うるう年のデータ(2月29日)がないとエラーになりました。

過去に発生した不具合であり、現在は修正済みです。うるう年以外の年の30分値データを使用した場合でも、システム側でデータを補完し、正常に計算が実行されるようになっています。

複数の需要施設がありますが、PPAの電力はどのように配分されますか?

プロジェクト内で、各施設にPPAの発電量をパーセンテージで割り振ります。例えば、2施設あれば「50%と50%」や「70%と30%」のように設定します。各施設で使い切れずに余った電力は、他の施設に融通されるのではなく、その場で市場に売却されたものとして計算されます。

代理店にこのシステムを使わせたいのですが、アカウント管理はできますか?

現在、管理者と一般ユーザー(営業担当者)で権限を分離する機能の開発を進めています。これにより、管理者は全案件を閲覧でき、営業担当者は自身の案件のみ閲覧・編集できる運用が可能になります。将来的には、代理店ごとに完全にデータを分離する「グループ機能」も開発予定です。

--------------------------------------------------------------------------------

5. 開発ロードマップと課題

ステータス

項目名

詳細

実装完了

燃料費調整額自動入力機能

旧来の料金プランに対応。

プロジェクトコピー機能

既存のシミュレーション設定を複製し、一部条件を変更して再計算する。

カスタムJEPX単価登録

ユーザーが独自のJEPX想定価格をアップロードして使用できる。

カスタム料金プラン登録

標準マスターにない独自の料金プランを作成・保存できる。

Excelレポート詳細化

施設ごとの詳細な内訳や365日データを出力。

対応中/実装予定

原価計算機能

固定料金プランの裏側での原価計算ロジック、余剰電力売電の反映。最優先課題。

割引逆算機能

目標粗利からの割引額自動算出。kW単価での表示追加。

力率割引の標準適用

提案プランの基本料金計算に、デフォルトで15%の力率割引を適用。

年間平均需要カーブのグラフ表示

レポートに年間平均の需要カーブグラフを追加。

中長期課題

東電新料金プランへの対応

ベーシックプラン等、市場価格連動型新プランの計算ロジック実装。

UI/UXの全面的な見直し

入力フローの再設計、画面レイアウトの改善。

代理店向けユーザー管理機能

グループ単位でデータアクセスを制御する高度な権限管理機能。

需要家側蓄電池シミュレーション

需要家側に設置された蓄電池の充放電を考慮したシミュレーション。

こちらの回答で解決しましたか?