FAQ-01|積雪荷重はどの基準で計算していますか?
回答(結論)
屋根上太陽光の積雪荷重は、建築基準法施行令第86条に基づき、
「垂直積雪量(cm)× 20N/m²/cm」で算定します。
多雪区域では、特定行政庁(自治体)が定める数値・係数が最優先です。
行為解像度(実務)
設置地点の市町村を特定
自治体公開の**垂直積雪量(50年再現期待値)**を確認
20N/m²/cmを乗じて設計積雪荷重を算定
多雪区域指定・独自係数の有無を建築指導課で確認
架台・屋根許容荷重と照合
エビデンス
国土交通省「建築基準法における積雪に関する基準」
https://www.mlit.go.jp/common/001210502.pdf
FAQ-02|NEDOの日射量データと積雪量はどう使い分けますか?
回答(結論)
発電量計算:NEDO METPV(日射量データ)
構造安全設計:建築基準法・自治体の積雪量
→ 用途が完全に異なるため代替不可です。
行為解像度
エネがえる:METPVで発電量
設計・施工:自治体積雪量で荷重確認
提案時:両者を明確に切り分けて説明
エビデンス
NEDO METPV-20 解説
https://www.nedo.go.jp/library/nissharyou.html
FAQ-03|メーカーは積雪量に応じて何を指定していますか?
回答(結論)
主要メーカーは垂直積雪量区分ごとに「架台・補強条件」を明示しています。
例:テンションバー全数必須/設置不可条件など。
行為解像度
積雪量150cm超 → 標準架台不可
指定部材(テンションバー等)を全数適用
メーカー施工要領と現地条件の整合を確認
エビデンス(代表例)
シャープ 施工説明書(積雪地域対応)
https://sunvista.jp/owners/manual/長州産業 多雪区域施工注意
https://www.choshu.co.jp/products/solar/manual/京セラ 落雪事故防止の注意喚起
https://www.kyocera.co.jp/solar/support/
FAQ-04|落雪事故の責任は誰が負いますか?
回答(結論)
落雪による第三者被害は、設備所有者(施主)責任が基本です。
そのため、設計段階での落雪対策説明が必須です。
行為解像度
雪止め金具の設置可否・耐力確認
隣地・通行動線・カーポート位置を確認
最下段パネルと軒先の離隔確保
「落雪の可能性」を書面説明
エビデンス
国民生活センター 太陽光発電設備の落雪事故
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200319_1.pdf京セラ 落雪注意喚起
https://www.kyocera.co.jp/solar/support/
FAQ-05|雪による破損はメーカー保証の対象ですか?
回答(結論)
原則対象外です。
多くのメーカー保証は地震・風水害・雪害など自然災害を免責としています。
行為解像度
メーカー保証書の免責条項を必ず提示
「保証」と「保険」を明確に切り分けて説明
施主が誤認しないよう明文化
エビデンス
シャープ 太陽光発電システム保証条件
https://sunvista.jp/owners/warranty/一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)保証整理
https://www.jpea.gr.jp/faq/
FAQ-06|火災保険・動産保険で雪害は補償されますか?
回答(結論)
多くの火災保険で「雪災」は補償対象ですが、
発電量低下のみ(物理損傷なし)は対象外が一般的です。
行為解像度
建物付属設備として補償対象か確認
免責金額・支払限度額を事前説明
PPAの場合は事業者側の保険加入有無を確認
エビデンス
損害保険料率算出機構 火災保険の雪災
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/fire/東京海上日動 火災保険(雪災補償)
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/fire/
FAQ-07|「雪で発電しなかった」場合、補償はありますか?
回答(結論)
通常はありません。
雪による一時的な発電停止・低下は保険・保証とも対象外です。
行為解像度
シミュレーション時に「積雪期の発電低下」を口頭説明 ※及び1月・2月発電量を「0」調整。
年間試算値は平年値であることを明示
過度な期待値を与えない
エビデンス
国民生活センター 太陽光発電の誤認トラブル
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190314_1.html
エネがえる経済効果シミュレーション保証について
積雪・豪雪地帯でも使えるケースがございます。資料はこちら。ご相談ください。
FAQ-08|大雪時に施主がやってはいけないことは?
回答(結論)
無断での屋根除雪は禁止・要相談が原則です。
パネル破損・感電・転落リスクがあります。
行為解像度
除雪は施工会社・メーカー指示に従う
金属スコップ・高圧水は禁止
落雪方向の立入禁止
エビデンス
JPEA 太陽光発電設備の保安ガイド
https://www.jpea.gr.jp/maintenance/
FAQ-09|自治体PPA・公共施設で特に注意すべき点は?
回答(結論)
説明責任・安全配慮義務が民間以上に厳格です。
行為解像度
積雪・落雪リスクを仕様書・図面に明記
保険加入内容を議会・監査対応レベルで整理
児童・高齢者動線への落雪対策必須
エビデンス
環境省 公共施設PPA導入手引き
https://www.env.go.jp/policy/local_renewable/ppa.html
FAQ-10|提案書に最低限入れるべき一文は?
回答(そのまま転記可)
本設備は建築基準法および当該自治体が定める垂直積雪量に基づき設計されています。
なお、雪害による物理的損傷はメーカー保証対象外となるため、火災保険等による補償を前提としています。
