エネがえるでは、太陽光パネル、蓄電池ともに経年劣化を計算に反映していません。
反映していない理由および対策は以下の通りです。
1)太陽光パネル経年劣化について
・現状のエネがえるでは太陽光パネルの経年劣化は反映していません。
・エネがえるの太陽光発電量推計は「メーカーや製品に依存せず汎用的」に診断する仕様となっております。計算方法は以下に別途記載のJIS計算式(製品毎ではなくJISで定められた汎用的な発電量推定式)とNEDO日射量データベースを利用しています。これは各メーカーも発電量シミュレーションにおいて参照する計算式や日射量DB(多少の違いはありますがほぼNEDOのデータを使っています)となります。
▼エネがえるの太陽光発電量算出の根拠は?詳細はこちらをご参照ください。
・エネがえるでは、太陽光パネルメーカーや製品毎の特性は考慮せず汎用的にJISの計算式とNEDOの日射量DBを使い発電量を推計します。またメーカーから別途取得したり、自社でシミュレーションした「年間予想発電量(kWh)」がある場合はその数値を入力することで補正することができます。
①太陽光発電量予測式は「JIS C 8907:2005 太陽光発電システムの発電電力量推定方法」 ②日射量(時間別日射量)はNEDOのMETPV20 を使っております。
(経年劣化を反映していない理由)
・経年劣化については、個別要素(メーカーやモジュール毎及び発電設備のメンテナンス方法)によっても変わってくるため。汎用的にシミュレーション可能なエネがえるでは現段階では反映しておりません。
(経年劣化を反映させたい場合の対策)
・必要な場合は別途、販売施工店様の方から提案する太陽光パネルメーカーへ経年劣化を含めたシミュレーション依頼をしていただく必要があります。
(代替案)
・メーカーへシミュレーション依頼ができない場合は、一般的に太陽光パネルの経年劣化は年0.3~0.8%前後(多めに見て年1%前後を想定)と言われていますのでそのロスをエネがえるの診断結果から差し引いていただきお客様に提示いただく。
※参考値)
・FIT開始当初資源エネルギー庁審議会で採用された太陽光発電システムの経年劣化率は、年間0.27%
・NREL(米国 国立再生可能エネルギー研究所)は、多くの太陽光発電所が毎年0.5%程度発電量低下するとデータを公表
2)蓄電池経年劣化について
・現状のエネがえるでは蓄電池の経年劣化は反映していません。理由は以下の通りです。
▼エネがえるの蓄電池の経済効果の算出根拠と計算式は?
・エネがえるでは、蓄電池メーカー・製品毎の特性を反映したシミュレーションが可能です。
・現状のエネがえるの蓄電池の効果計算式はこちらをご参照ください。
・各メーカーから個別にNDA締結の上で入手した蓄電製品毎の情報をデータベースに登録し計算に反映しています。(非ハイブリッド型 / ハイブリッド型によるPCS変換効率、待機電気消費量など)。また、製品情報が未提供のメーカー・製品については当社側で推定した汎用的な数値をデータベースに登録しシミュレーションに反映しています。
・月毎に、1日の電気使用量、太陽光/系統からの充電可能量から必要最低限の充電を行うようシミュレーションします。
・2サイクル充電は太陽光からの充電量を元に最適化された量が系統から充電されるようになっています。
・充電深度は、実効容量として充電上限から充電下限を減じた値を指定します。
・売電優先・充電優先のモードによる違いを反映します。太陽光発電を系統への売電優先とするか、蓄電池への放電優先とするか選択することができます。
・充放電の時間を設定できます。(あらかじめエネがえる側で効果が出やすいような充放電の時間帯を設定済みです。変更も可能です。)
・2サイクル充電の効果を反映します。1日に2回充電(系統および太陽光)するかを選択することができます。
(蓄電池の経年劣化を反映させない理由)
・エネがえるではすでに蓄電池の経年劣化を加味する「計算式」は開発済みです。ただし以下の理由で計算結果に反映していません。
・メーカー毎に経年劣化の情報を提供してくれるメーカー、してくれないメーカーとばらつきがあるため、経年劣化を反映すると「比較しづらい・公平性がなくなる」という理由。
・蓄電池市場がまだ未成熟で経年劣化まで反映させると提案しづらい、販売しづらいという理由。エネがえる契約企業(メーカーや販売施工店)から経年劣化を反映させたいという要望もほとんどないという理由。
(蓄電池の経年劣化を反映させるための対策)
・現状ではメーカー側も経年劣化を加味したシミュレーションはほとんど提供していないと想定しています。ここは今後、家庭用蓄電システム市場が成熟し、施主・お客様側から蓄電システム寿命やサイクル回数・経年劣化を加味したシミュレーションの要望が高まると想定しておりますので、そのタイミングにあわせて、エネがえる側では蓄電池の経年劣化を想定したシミュレーションの実装を再度改めて検討したいと考えています。