エネがえるが公開した試算記事「スーパーの太陽光は元が取れない?冷凍冷蔵×店舗規模×地域の288ケースを実試算【2026年11月最新単価】」の要点を、販売施工店・EPCの皆さまがお客様へご説明する際の参考としてまとめました。数値は合成した店舗の需要プロファイルによる傾向で、個別の店舗の結果を保証するものではありません。
3つの答え
太陽光は、スーパーなら元が取りやすい見込みです。太陽光のみの96ケース(8店舗モデル×太陽光2通り×電気代上昇率3×冷凍機2)すべてが10.7年以内に回収し、中央値は7.7年でした(保守費・交換費込みで8.6年、最長13.1年)。冷凍冷蔵が夜も動くため、発電をほぼ余らせません(自家消費率99.8%以上)。
蓄電池は電気代の削減だけでは元が取れませんでした。蓄電池を足した192ケースのうち、上乗せ分が15年以内に回収できたのは0ケースです。完全予見の上限でも0ですが、上限の損益分岐価格は最大約13.97万円/kWhで想定価格14万円とほぼ同じため、価格低下や補助と高度な制御がそろえば回収圏に入りえます。現実的な運転では約4.7万〜9.6万円/kWhです。低圧の小型店では基本料金が下がらず、削減額はマイナスでした。
食品スーパーでは、冷凍機の省エネが屋根の太陽光と同じ規模です。冷凍冷蔵が電力量の50%、その2割を減らせると仮定すると、中型店・関東で年約398万円(屋根の太陽光150kWの初年度は約365万円)。比率40〜60%×削減率10〜30%の幅では年約159万〜716万円です。衣料・住居の売場が大きい総合スーパーは冷凍冷蔵の比率が低く、削減額は大幅に小さくなります。
押さえたい数字
項目 | 試算結果 |
太陽光の回収年数 | 5.7〜10.7年(中央値7.7年)、保守費・交換費込みで6.4〜13.1年(中央値8.6年)。エリア別中央値(保守費込み)は関西7.6年・関東8.5年・九州9.7年 |
太陽光でまかなえる電気の割合 | 屋根のみ8〜14%、屋根+カーポート16〜24%(カーポートを足すと回収は1.1〜1.6年遅れるが、20年の手残りは中型店・関東で約4,611万円→約8,169万円) |
蓄電池で元が取れる価格(高圧、15年) | 現実的な運転で約4.7万〜9.6万円/kWh、完全予見の上限で約6.9万〜14.0万円/kWh(想定14万円/kWh、税抜) |
停電時に冷凍冷蔵を守れる時間(中型店・120kWh) | 夜の停電で約0.9時間(出力120kWの場合。経済性の試算と同じ出力60kWでは冷凍冷蔵約110kWを賄えず0時間)。夜に3時間守るには約420kWh、12時間なら約1,682kWh(満充電・出力1C・単純計算) |
CO2削減(関東・中型店、年) | 屋根の太陽光 約78t、屋根+カーポート 約157t、冷凍機の省エネ 約74t |
業界統計(参考) | 2026年版スーパーマーケット年次統計調査:売上高営業利益率 平均1.25%(中央値1.03%)、1店舗あたり年間電気料金の中央値 約2,130万円。本記事の中型店(電気代 年約4,200万円)はその約2倍の規模 |
前提:小型店(低圧50kW、関東・九州)、中型店(高圧300kW)・大型店(高圧1,000kW、食品売場中心)は関東・関西・九州、電気代上昇率1〜3%、税抜。冷凍冷蔵の比率と省エネ率は仮定です。
トーク例(断定を避けた言い方)
「スーパーは閉店後も冷凍冷蔵が動くので、屋根の太陽光の電気をほぼ全部使い切れます。公開試算では8年前後で回収する傾向でした。御店の30分デマンドデータで確認させてください。」
「蓄電池は、夕方から閉店まで続くピークを削りきれず、電気代だけでは勧めにくいという結果です。停電対策なら、どのケースを何時間守るかを決め、冷凍機を動かせる出力があるかも確認しましょう。」
「冷凍機の更新時期が近ければ、太陽光と同じくらいの削減になる可能性があります。冷凍機の台数・冷媒・製造年を教えていただけますか。」
「営業利益率1%の店舗なら、電気代を年400万円下げることは売上を4億円伸ばすのと同じ利益になります。」
エネがえるBizで同じ比較をするポイント
お客様の30分デマンドデータ(1年分)を取り込み、年間の最大需要が出る時刻と長さを確認します。データがない場合は業種別ロードカーブを使い、その旨をお客様に伝えます。
屋根のみ/屋根+カーポート/+蓄電池のパターンを作り、蓄電池の上乗せ分で回収できるかを確認します。
冷凍機の省エネを見込む場合は、省エネ後の需要で太陽光・蓄電池の試算をやり直します。
電気料金の単価・上昇率・保守費などの前提条件を提案書に明記します。
ご注意
記事の数値は合成プロファイルによる傾向で、個別店舗の結果ではありません。「必ず元が取れる」とはお伝えにならないでください。
冷凍機の省エネの削減額は仮定(冷凍冷蔵=電力量の50%、削減率20%)に基づくもので、機器の更新費用を含みません。総合スーパーでは冷凍冷蔵の比率が低い点にご注意ください。
低圧の小型店は全量を低圧電力で計算しています。電灯契約が別にある場合は結果が変わります。
停電時に太陽光・蓄電池を使うには、自立運転機能と切替盤が必要です。停電対策には容量と同じ以上の出力のパワーコンディショナが必要で、kWhあたりの価格は高くなるのが一般的です。
冷凍冷蔵機器にはフロン排出抑制法の義務があります(3か月に1回以上の簡易点検、7.5kW以上の機器の定期点検=冷凍冷蔵は1年に1回以上、記録は廃棄後3年まで保存、算定漏えい量1,000t-CO2以上で報告)。詳細は環境省のフロン排出抑制法ポータルサイトでご確認ください。
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