エネがえるでは、ホンダ N-VAN e:(軽バン、事業用・自家用)といすゞ エルフEV(2t級トラック、事業用・自家用)について、年間走行距離3水準×充電方法4通り×3地域(関東・関西・九州)×補助の有無の288ケースを、同等のエンジン車と比べて試算しました(税抜、燃料は2026年10月26日調査、電気は高圧の事業所、保有8年)。法人のお客様から「商用EVは元が取れますか?」と聞かれたときの説明にご活用ください。
詳しい試算条件・グラフ・出典:商用EVは元が取れない?用途別・車種別にTCOを実試算【2026年11月最新単価】
結論:3つの答え
事業用(黒ナンバー)の軽バンは、補助と夜間充電で約1〜2年で回収。LEVOの補助(N-VAN e:で78.2万円+充電器)を使い、事業所で夜間に普通充電すると、年1.5万〜4万kmのどの距離でも8年の正味がプラスでした(9ケースすべて)。自家用(黄ナンバー)は、補助45.8万円(2027年1月以降の登録の額)なら年約1.2万km以上で8年で回収できますが、CEV補助金は2026年12月上旬〜下旬に予算到達で受付終了の見込みで、2027年に登録する車は補助を受けられない可能性が高く、その場合は年約2.0万km以上が必要です。
2t級のEVトラックは、補助ありでも8年では回収できない(燃料補助継続時)。補助(価格差の3分の2が上限)を使っても144ケース中0。年2万kmで8年に約145万円の損が残ります(関東・夜間充電)。結論を変えるのは車両の価格差で、20%小さければほぼ損益ゼロです。
「いつ・どこで・どの契約で充電するか」が補助金と同じくらい効く。急速充電中心ではすべての区分でマイナス。50台を帰庫直後に一斉充電すると基本料金が年約721万円増えました(物流倉庫・関東、500kW超となるため参考値)。夜間に平準化すれば増えませんでした。
押さえたい数字
項目 | 試算結果 |
1kmあたりの燃料・電気代(関東) | 軽:ガソリン約9.6円/夜間充電約3.2円/急速充電約11.1円。トラック:軽油約15.5円/夜間約9.9円/急速約34.2円 |
事業用軽バン 年2.5万km(関東・夜間・補助あり) | 回収約1.3年、8年で約136万円の得(補助なしでも約6.3年) |
自家用軽バンが8年で回収できる走行距離 | 年約1.2万km以上(CEV補助45.8万円)。補助なしは年約2.0万km(年1.5万kmなら8年で約28万円の損) |
CEV補助金の期限の影響(自家用・年1.5万km) | 2026年中の登録58万円で約30万円の得、45.8万円で約18万円の得、受付終了で補助なしなら約28万円の損 |
2t級トラックが8年で回収できる走行距離 | 補助ありで年約5万km(12年なら約2.8万km) |
低圧の事業所(関東・自家用軽バン年1.5万km) | 低圧電力の契約電力を6kW増やすと8年で約50万円の損。従量電灯Cで6kVA増やすと約35万円の損(基本料金の増加は8年約22万円) |
燃料の補助がなくなった場合 | 店頭価格は国の補助で抑えられた価格です。10月26日の週の支給額は42.8円/L(ガソリン・軽油とも。10月29日からは52.4円/Lに拡大)。補助額は元売りへの1Lあたりの支給単価で、店頭価格への影響は消費税分などでやや大きくなり得ます。補助がなければ事業用トラック年3万kmは8年で約10万円の得に転じます。補助拡大後の水準で外すと、EVの得はさらに大きくなります(本試算は10月26日時点で計算)。 |
EVに入れる電気1kWhのコスト | 太陽光で昼間に直接 約9円、事業所の電気 約21円、蓄電池経由 約45円、急速充電 約73円(税抜・概算) |
説明のポイント(トーク例)
ナンバーの区分から確認する。「自家用はCEV補助金、事業用の軽貨物とトラックはLEVOの補助です。CEV補助金は事業用車両が対象外なので、まず区分を確かめましょう」。
補助の条件と期限を先に伝える。「LEVOの補助(事業用の軽バンとトラック)は、2030年度までの導入計画の提出が必要で、車両総重量8t以下の車(軽バンを含む)は2030年度に保有割合5%以上が交付の条件です。自家用のCEV補助金は12月に受付が終わる見込みです」。
よく走る軽バンから替える。「1台あたりの得が大きい車から順に替えると、全社の得が最大になります。トラックは価格差が縮むのを待つか、1〜2台で実際の電費を確かめてから増やしましょう」。
充電は夜間に分散、契約も確認。「帰庫直後の一斉充電は基本料金を押し上げます。低圧の事業所では、充電器をどの契約につなぐかで結果が大きく変わります」。
断定しない。結果は走行距離・燃料価格(国の補助の有無)・車両価格・電気料金で変わります。「必ず元が取れる」とは言わないでください。
試算で押さえる設定
車両ごとの年間走行距離と、出庫・帰庫時刻(昼間に事業所へ戻るか)。
事業所の30分デマンドデータ(1年分)と契約電力・料金メニュー。低圧では低圧電力と電灯(従量電灯Cなど)のどちらにつなぐかを確認する。
車両と充電器の見積もり、使える補助(申請先の公募要領で確認)。燃料価格は補助がある場合とない場合の両方で比べる。
EVとガソリン車の総費用の比較はEVのTCO試算、複数台の評価はエネがえるフリートEVをご参照ください。
ご注意
トラックの価格差はLEVOの基準額(補助の上限)からの逆算(約869万円)で、実際の見積もりの差は小さい可能性があります。トラックの電費・燃費、保守費・税の差、実走係数(0.85)、急速充電料金(80円/kWh税込)は仮定値です。
保険・残価・電池交換・電池の劣化・自治体の上乗せ補助は基本の計算に含めていません。補助の額・期限、電気料金は2026年10月31日時点の公表情報です。
試算条件の設定やお客様への説明についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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