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家庭・小規模需要家・中小事業者の屋根上太陽光に埋もれがちな環境価値をJ-クレジット化する「環境価値発掘イニシアチブ」について

屋根上太陽光の“埋没環境価値”をJ-クレジット化し、販売施工店・EPCの収益・需要家還元原資に変える新サービス構想とは?

対応者:樋口 悟

環境価値発掘イニシアチブ

屋根上太陽光の“埋没環境価値”をJ-クレジット化し、販売施工店・EPCの収益・需要家還元原資に変える新サービス構想

この記事の要点

エネがえるでは、協業パートナーであるエレビスタ株式会社の環境価値プラットフォーム「OFFSEL」とともに、家庭・小規模需要家・中小事業者の屋根上太陽光に埋もれがちな環境価値をJ-クレジット化する「環境価値発掘イニシアチブ」を検討しています。添付プレスリリース案でも、本取り組みは「自家消費型太陽光の埋没環境価値を掘り起こし、J-クレジットとして市場流通させる業界横断の取り組み」と整理されています。

一言でいうと、以下の取り組みです。

家庭・小規模需要家の屋根上太陽光で埋没しがちな自家消費分の環境価値をJ-クレジット化し、販売施工店・EPCの継続収益または需要家還元原資に変える仕組みです。

☎ お問い合わせ先

TEL:070-3669-8761(担当 樋口)
MAIL:info@enegaeru.com
WEB相談:https://form.run/@contact-enegaeru


1. なぜこの取り組みが必要なのですか?

家庭用太陽光、太陽光+蓄電池、低圧・小規模事業者向け自家消費型太陽光では、発電した電気を自家消費することでCO2削減効果が生まれます。

しかし、現状ではこのCO2削減価値の多くが、可視化・申請・認証・販売されないまま埋没しがちです。

理由は明確です。

  • 1件あたりの環境価値は数千円〜数万円程度になりやすい

  • 一方で、J-クレジット化には制度理解・同意取得・モニタリング・認証・売却・精算が必要

  • 家庭や小規模需要家が単独で手続きするには実務負荷が大きい

  • 販売施工店・EPCも、個別案件ごとに制度対応するにはコスト・手間が合いにくい

  • 結果として、本来は金銭価値化できる可能性がある環境価値が、未活用のまま残る

つまり、本件は「新しい怪しい収益スキーム」ではありません。
むしろ、制度上は価値化できる可能性があるのに、実務上の手間・小口分散・情報不足によって眠っている価値を、販売施工店・EPCの顧客基盤を活用して束ねる取り組みです。


2. J-クレジット制度とは何ですか?

J-クレジット制度は、省エネ設備の導入、再生可能エネルギーの活用、森林管理などによるCO2等の排出削減量・吸収量を、クレジットとして国が認証する制度です。経済産業省は、J-クレジット制度を「省エネ設備の導入や再生可能エネルギーの活用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を、クレジットとして国が認証する制度」と説明しています。(経済産業省)

創出されたクレジットは、企業の温対法報告、カーボン・オフセット、製品・サービスの環境価値訴求などに活用されます。制度の目的は、低炭素投資を促進し、日本全体の温室効果ガス排出削減量の拡大につなげることです。(経済産業省)


3. プログラム型プロジェクトとは何ですか?

J-クレジットには、個別案件ごとに登録する考え方に加えて、**小さな削減活動をまとめて1つのプロジェクトとして扱う「プログラム型プロジェクト」**があります。

プログラム型プロジェクトは、複数の削減活動を取りまとめて1つのプロジェクトとして登録する形態です。中部経済産業局のJ-クレジット解説資料では、規模が小さい場合はプロジェクト登録費用などの面から取り組みが難しくなるため、個々の削減活動量は小さくても、複数活動を取りまとめてクレジット化する「プログラム型プロジェクト」の活用が有効であると説明されています。

プログラム型の主なメリットは以下です。

  • 単独では非現実的な小規模な削減活動からJ-クレジットを創出しやすい

  • 登録・審査等にかかる手続き・コストを削減しやすい

  • 削減活動を随時追加し、プロジェクト規模を拡大しやすい

  • 一般家庭の屋根上太陽光のように、個々の家庭が単独参加するのは非現実的なケースでも、取りまとめにより参加しやすくなる

中部経済産業局資料では、一般家庭の屋根に太陽光発電を設置する場合、個々の家庭がJ-クレジット制度に参加することは非現実的だが、一括で申請・審査を行えば手続き・コストを削減できると説明されています。


4. プログラム型では誰が何をするのですか?

プログラム型では、個々の需要家がすべての制度手続きを行うのではなく、運営・管理者が会員組織を作り、複数の削減活動を取りまとめます。

中部経済産業局資料では、プログラム型の運営・管理者の役割として、会員情報の管理・記録、モニタリング情報の収集、クレジット認証申請、クレジット売買、収益の活用などが挙げられています。

本イニシアチブでは、この構造を太陽光・蓄電池販売の現場に適用するイメージです。

役割

主な内容

需要家

自家消費型太陽光等の導入者。環境価値の活用に同意

販売施工店・EPC

需要家への案内、同意取得、対象情報の連携、還元設計

エレビスタ/OFFSEL

J-クレジットの登録、MRV、認証、売却、運用実務

国際航業/エネがえる

適格性確認、収益シミュレーション、販売施工店・EPCへの案内

OFFSELは、非化石証書やJ-クレジットなどの環境価値を扱うサービスで、公式サイトでも国内外のクレジット・証書を取り扱い、創出支援も相談可能と説明されています。(Offsel)


5. 本イニシアチブの収益配分はどうなりますか?

現時点の先行案内モデルでは、以下の配分を想定しています。

区分

主な役割

配分

販売施工店・EPC

需要家への案内、同意取得、対象情報の連携、需要家還元設計

50%

エレビスタ/OFFSEL

J-クレジットのPJ登録、MRV、認証、売却、運用実務

40%

国際航業/エネがえる

適格性確認、収益シミュレーション、販売施工店・EPCへの案内

10%

ただし、以下の試算では、販売施工店・EPC側が受け取れる50%部分のみを表示します。

理由は、販売施工店・EPCの皆さまにとって重要なのは、まず以下を把握することだからです。

  • 自社にどの程度の継続収益が生まれる可能性があるか

  • その一部を需要家還元に回すと、どの程度の差別化原資になるか

  • 何もしない場合、どの程度の環境価値・還元原資が埋没し続けるか


6. 販売施工店・EPC側の50%はどう使えますか?

販売施工店・EPC側に配分される50%は、各社の営業方針に応じて設計できます。

活用方法

内容

向いている場面

自社収益化

50%分を追加収益として受領

粗利改善、継続収益化

一部還元

50%分の一部を需要家に還元

差別化、成約率向上、紹介促進

全額還元

50%分を需要家特典として還元

キャンペーン、既存顧客掘り起こし

需要家還元の例は以下です。

  • Amazonポイント等の付与

  • 工事費の一部割引

  • 蓄電池・V2H・HEMS等の一部オプション割引

  • 初回点検・保守点検費用の補助

  • 延長保証・遠隔監視費用への充当

  • 既存顧客向けの紹介キャンペーン原資

重要なのは、これは単なる値引きではないという点です。

需要家が本来持っていた“自家消費分の環境価値”をJ-クレジット化し、その一部を需要家に還元する設計です。

そのため、価格競争ではなく、
「環境価値の回収・還元まで提案できる販売施工店」
として差別化しやすくなります。


7. 対象となる案件・要件は?

現時点の先行案内では、以下を想定しています。

対象

  • 住宅用太陽光

  • 住宅用太陽光+蓄電池

  • 低圧〜高圧300kW程度までの自家消費型太陽光

  • 蓄電池併設案件

  • PPA案件

  • 小規模事業者向け自家消費型PV

主な確認要件

  • 稼働開始から一定期間内であること
    例:稼働開始2年以内を中心に確認

  • 自家消費があること

  • 投資回収期間が一定以上であること
    例:3年以上

  • 需要家側でSBT・RE100等の排出削減目標を既に設定していないこと

  • 他制度・他スキームとの二重計上リスクがないこと

  • 需要家から環境価値の移転・活用に関する同意を取得できること

添付プレスリリース案でも、対象は住宅用〜高圧300kW程度までの自家消費型太陽光、要件は稼働開始2年以内、自家消費、投資回収3年以上、排出削減目標未設定と整理されています。

最終的な対象可否は、制度要件、契約形態、発電・自家消費状況、需要家属性、二重計上リスク等を確認した上で判断します。


8. なぜ「何もしない」と機会損失になるのですか?

反実仮想で見ると、何もしない場合には以下の機会損失が発生します。

機会損失1:需要家の環境価値が埋没する

屋根上太陽光の自家消費分はCO2削減に寄与します。

しかし、J-クレジット化しなければ、需要家が持つ環境価値は金銭価値には変わりません。

制度上は価値化できる余地があっても、需要家単独では手続き・管理・販売まで行う負担が大きいため、実務上は埋没しがちです。

機会損失2:販売施工店・EPCの還元原資が生まれない

たとえば、家庭用PV+蓄電池を年間3,600件販売している場合、後述の前提では、販売施工店側に年間約1,301万円、同一コホート8年累積で約1億407万円の原資が生まれる可能性があります。

何もしない場合、この原資は発生しません。

機会損失3:需要家への“値引き以外の提案軸”を失う

現金値引きは粗利を削ります。

一方、J-クレジット化による原資は、需要家が持つ環境価値を回収して生まれるものです。

そのため、同じ還元でも、
「安くします」ではなく「環境価値を回収して還元します」
という説明ができます。

機会損失4:競合が先に環境価値還元を標準化する

競合他社が先に「環境価値回収・還元」を標準提案に組み込んだ場合、同じ太陽光・蓄電池提案でも、需要家に見える価値が変わります。

何もしていない企業は、最終的に現金値引きで対抗せざるを得なくなる可能性があります。


9. 市場背景:J-クレジット価格はどう見ればよいですか?

J-クレジット価格は固定価格ではありません。
クレジット種別、売却タイミング、取引方法、相対取引条件などにより変動します。

一方で、東京証券取引所はカーボン・クレジット市場を2023年10月11日に正式開設しており、市場日報で価格・売買高を公表しています。JPXの日報では、約定値段は税抜き、売買高の単位はt-CO2とされています。(日本取引所グループ)

本FAQでは、簡易試算のために5,000円/t-CO2を仮置きしています。これは保証価格ではなく、販売施工店・EPCが概算インパクトを把握するための説明用前提です。

また、GX政策の文脈では、経済産業省が二酸化炭素の直接排出量が前年度までの3年度平均で10万トン以上の事業者を対象とする排出量取引制度を2026年度から本格稼働すると説明しています。(経済産業省)

こうした制度環境は、環境価値・クレジットの活用余地を考える上で重要な背景です。


10. 簡易試算の前提

以下の試算では、販売施工店・EPC側の受取額を簡易的に算出します。

前提

仮置き値

年間発電量

1kWあたり1,100kWh/年

排出係数

0.000438t-CO2/kWh

J-クレジット単価

5,000円/t-CO2

販売施工店・EPC側配分

50%

継続期間

最大8年想定

0.000438t-CO2/kWhは、経済産業省・資源エネルギー庁のページで、令和5年度排出係数算出における一般送配電事業者からのインバランス供給に係る基礎二酸化炭素排出量の算定で用いる令和4年度全国平均係数として示されている値です。(エネルギー庁)

基本式

年間発電量 = PV容量(kW) × 1,100kWh/kW・年  自家消費電力量 = 年間発電量 × 自家消費率  CO2削減量 = 自家消費電力量 × 排出係数  J-クレジット販売益 = CO2削減量 × J-クレジット単価  販売施工店・EPC側受取額 = J-クレジット販売益 × 50%

※以下は概算です。実際の対象可否・認証量・収益額は、制度要件、方法論、設備条件、稼働開始時期、自家消費率、需要家同意率、モニタリング条件、売却単価等により変動します。


11. ユースケース別:販売施工店・EPC収益試算

ケースA:家庭用PVのみ中心の販売施工店

前提

項目

年間販売件数

3,600件

平均PV容量

5kW

想定自家消費率

30%

J-クレジット単価

5,000円/t-CO2

販売施工店側配分

50%

販売施工店側の概算収益

項目

概算

1件あたり年間受取額

約1,807円/年

年間3,600件分

約650万円/年

同一コホート8年累積

約5,203万円

解釈

PVのみの場合、自家消費率を30%前後で見ると、1件あたりの受取額は大きくありません。

ただし、年間3,600件規模の販売基盤がある場合、販売施工店側だけでも年間約650万円、8年累積で約5,203万円の環境価値由来の原資になります。


ケースB:家庭用PV+蓄電池セット中心の販売施工店

前提

項目

年間販売件数

3,600件

平均PV容量

5kW

想定自家消費率

60%

J-クレジット単価

5,000円/t-CO2

販売施工店側配分

50%

販売施工店側の概算収益

項目

概算

1件あたり年間受取額

約3,614円/年

年間3,600件分

約1,301万円/年

同一コホート8年累積

約1億407万円

解釈

PV+蓄電池のセット提案では、自家消費率が上がりやすく、J-クレジット化できる環境価値も大きくなります。

年間3,600件規模の販売施工店であれば、販売施工店側に年間約1,301万円、同一コホート8年累積で約1億407万円の収益・需要家還元原資が生まれる可能性があります。

還元設計の例

販売施工店側の年間受取額 約1,301万円 をどう使うかは自由です。

還元方針

需要家還元額

自社収益として残る額

1件あたり還元目安

30%を還元

約390万円/年

約911万円/年

約1,084円/件・年

50%を還元

約650万円/年

約650万円/年

約1,807円/件・年

100%を還元

約1,301万円/年

0円

約3,614円/件・年


ケースC:家庭用PV+蓄電池で自家消費率80%を想定する場合

前提

項目

年間販売件数

3,600件

平均PV容量

5kW

想定自家消費率

80%

J-クレジット単価

5,000円/t-CO2

販売施工店側配分

50%

販売施工店側の概算収益

項目

概算

1件あたり年間受取額

約4,818円/年

年間3,600件分

約1,734万円/年

同一コホート8年累積

約1億3,876万円

解釈

創蓄セット、昼間沸き上げ、EV/V2H連携などにより自家消費率が高い世帯では、環境価値の金銭化余地もさらに大きくなります。

自家消費率

販売施工店側受取額

30%

約650万円/年

60%

約1,301万円/年

80%

約1,734万円/年

つまり、J-クレジット化の観点でも、PV単体よりもPV+蓄電池、さらに自家消費率を高める提案の方が還元原資を作りやすくなります。


ケースD:中堅販売施工店|年間300件のPV+蓄電池案件

前提

項目

年間販売件数

300件

平均PV容量

5kW

想定自家消費率

60%

J-クレジット単価

5,000円/t-CO2

販売施工店側配分

50%

販売施工店側の概算収益

項目

概算

1件あたり年間受取額

約3,614円/年

年間300件分

約108万円/年

同一コホート8年累積

約867万円

解釈

年間300件規模でも、販売施工店側に年間約108万円、8年累積で約867万円の原資が生まれる可能性があります。

この規模では、大きな利益源というより、以下のような施策原資として使いやすいです。

  • 既存顧客へのポイント還元

  • 成約特典

  • 初回点検費用の一部補助

  • 蓄電池オプションの一部割引

  • 紹介キャンペーン原資


ケースE:低圧産業用50kW 自家消費型PVを扱うEPC

前提

項目

年間販売件数

200件

平均PV容量

50kW

想定自家消費率

70%

J-クレジット単価

5,000円/t-CO2

EPC側配分

50%

EPC側の概算収益

項目

概算

1件あたり年間受取額

約42,158円/年

年間200件分

約843万円/年

同一コホート8年累積

約6,745万円

解釈

低圧産業用では、住宅用より1件あたり容量が大きいため、少ない件数でも金額インパクトが出やすくなります。

EPC側は、この原資を以下のように使えます。

  • O&M費用の一部還元

  • 遠隔監視費用の割引

  • 初年度点検費用の無償化

  • CO2削減レポート作成費用への充当

  • 蓄電池・EMS追加提案時の特典原資

  • 競合提案との差別化資料


ケースF:産業用80kW 自家消費型PVを年間60件扱うEPC

前提

項目

年間販売件数

60件

平均PV容量

80kW

想定自家消費率

70%

J-クレジット単価

5,000円/t-CO2

EPC側配分

50%

EPC側の概算収益

項目

概算

1件あたり年間受取額

約67,452円/年

年間60件分

約405万円/年

同一コホート8年累積

約3,238万円

解釈

年間60件でも、平均80kWの自家消費型PVを扱う場合、EPC側に年間約405万円、8年累積で約3,238万円の原資が生まれる可能性があります。

件数が少なくても、設備容量が大きい企業は対象として有望です。


ケースG:高圧産業用200kW 自家消費型PVを年間50件扱う場合

前提

項目

年間販売件数

50件

平均PV容量

200kW

想定自家消費率

70%

J-クレジット単価

5,000円/t-CO2

EPC側配分

50%

EPC側の概算収益

項目

概算

1件あたり年間受取額

約168,630円/年

年間50件分

約843万円/年

同一コホート8年累積

約6,745万円

解釈

200kW級の自家消費型PVでは、50件でも大きな環境価値原資になります。

住宅用は「件数」で効きます。
産業用は「容量」で効きます。

したがって、本取り組みは、家庭用販売施工店にも、産業用EPCにも適用余地があります。


12. 毎年同じ件数を積み上げるとどうなりますか?

上記の「同一コホート8年累積」は、ある1年に同意取得した案件が最大8年間継続する前提です。

一方、販売施工店・EPCが毎年同規模で新規案件を積み上げる場合、収益コホートが重なります。

例:家庭用PV+蓄電池を年間3,600件ずつ毎年組成する場合

前提

  • 年間3,600件

  • 平均PV容量5kW

  • 自家消費率60%

  • J-クレジット単価5,000円/t-CO2

  • 販売施工店側配分50%

  • 各年のコホートが最大8年間継続

販売施工店側の積み上がり

項目

販売施工店側受取額

1年目の年間受取額

約1,301万円/年

8年目の年間ランレート

約1億407万円/年

8年間累積

約4億6,831万円

解釈

単年で見ると、販売施工店側の原資は約1,301万円/年です。

しかし、毎年同規模で新規案件を積み上げられる場合、8年目には8年分のコホートが重なるため、販売施工店側の年間原資は約1億407万円/年まで積み上がる可能性があります。

これは単なるスポット収益ではなく、顧客基盤を活用した継続収益モデルとして見るべきです。


13. 需要家にはどう説明できますか?

需要家向けには、以下のように説明できます。

太陽光で自家消費している電気には、CO2削減に相当する環境価値があります。
通常、この価値は家庭や小規模事業者単独では手続きが難しく、活用されないままになりがちです。
今回は、その環境価値を制度に基づいてJ-クレジット化し、得られた収益の一部を特典として還元する取り組みです。

営業現場では、以下のような言い換えが使えます。

  • 「単なる値引きではなく、お客さまの環境価値を回収して還元する仕組みです」

  • 「太陽光を設置して終わりではなく、設置後に生まれる環境価値まで活用します」

  • 「通常は埋もれがちな自家消費分のCO2削減価値を、制度に沿って金銭価値化します」

  • 「還元額は保証ではありませんが、条件が合えば環境価値由来の特典原資を作れる可能性があります」


14. よくある質問

Q. これは需要家に費用負担が発生しますか?

現時点の構想では、需要家に追加の費用負担を発生させない設計を前提にしています。

需要家には、環境価値の移転・活用に関する同意を取得し、その環境価値をJ-クレジット化することで収益を生み出す想定です。


Q. 販売施工店・EPC側には初期費用が発生しますか?

現時点の先行案内では、販売施工店・EPC側に初期費用・申請手続き負担を発生させない設計を想定しています。

ただし、最終的な契約条件・対象範囲・運用条件は個別に確認します。


Q. 販売施工店・EPC側の50%は、必ず需要家へ還元しなければなりませんか?

いいえ。必須ではありません。

販売施工店・EPC側に配分される50%は、各社の営業方針に応じて設計できます。

たとえば、全額を自社収益として扱う、一部を需要家へポイント還元する、一部を工事費・オプション費用に充当する、全額をキャンペーン原資として還元する、といった設計が可能です。

ただし、営業施策としては、需要家に一部を還元した方が、**「環境価値を回収して還元する提案」**として説明しやすくなります。


Q. 収益は保証されますか?

保証ではありません。

この記事内の試算は、一定の仮定に基づく概算です。実際の収益は、制度条件、認証量、単価、対象件数、需要家同意率、モニタリング条件、売却条件等により変動します。


Q. 既存顧客も対象になりますか?

条件を満たせば、既存顧客も対象化できる可能性があります。

ただし、導入時期、設備条件、自家消費の有無、同意取得可否、二重計上リスク等を確認する必要があります。


Q. FIT売電している案件も対象ですか?

個別確認が必要です。

全量売電型か、自家消費分があるか、環境価値の帰属がどう整理されているかにより扱いが変わります。この記事では、主に自家消費分の環境価値を対象にした考え方を説明しています。


Q. SBTやRE100を掲げている需要家も対象になりますか?

原則として慎重な確認が必要です。

需要家がSBT・RE100等の排出削減目標を掲げ、環境価値を自社の削減主張に使う場合、J-クレジット化・移転との整理が必要になります。

本構想では、家庭・小規模需要家、低圧〜中小規模の自家消費型PVを中心に対象化を検討します。


Q. 二重計上リスクとは何ですか?

同じCO2削減価値を、複数の主体・制度・主張で重複利用してしまうリスクです。

たとえば、需要家が自社の排出削減実績として主張している環境価値を、別途J-クレジットとして外部移転すると、制度・会計・開示上の整理が必要になります。

このため、対象化の際には、以下を確認します。

  • 需要家が環境価値を自社主張に使っていないか

  • 他のJ-クレジットプロジェクトに登録していないか

  • 補助金・PPA・電力契約上の環境価値の帰属に問題がないか

  • SBT・RE100等の目標設定と矛盾しないか

  • 環境価値の移転について需要家同意が取れているか


Q. どの情報があれば、販売施工店・EPC側の収益試算ができますか?

以下の情報があれば、概算試算ができます。

必要情報

年間販売件数

家庭用300件、3,600件など

平均PV容量

5kW、8kW、50kW、80kW、200kWなど

PVのみ/創蓄セット比率

PVのみ70%、創蓄30%など

蓄電池セット率

30%、50%、80%など

想定自家消費率

PVのみ30%、創蓄60〜80%、産業用70%など

既存顧客数

過去2年分の導入件数など

対象地域

全国、特定エリア

需要家還元方針

自社収益、ポイント還元、工事費充当など


15. 営業・CSが注意すべき表現

以下は、営業・CSの説明で使わない方がよい表現です。

避ける表現

理由

必ず収益化できます

制度条件・認証・売却単価に左右されるため

確実に還元できます

対象可否・同意取得・売却条件で変動するため

どの太陽光でも対象です

自家消費、導入時期、環境価値帰属等の確認が必要なため

需要家は何もしなくてよい

同意取得や必要情報提供が必要なため

国が収益を保証しています

J-クレジットは国の認証制度だが、収益保証制度ではないため

価格は5,000円で固定です

市場価格・相対条件で変動するため

推奨表現は以下です。

  • 「対象条件を満たす場合、J-クレジット化により収益・還元原資が生まれる可能性があります」

  • 「試算は概算であり、正式な対象可否は個別確認が必要です」

  • 「需要家の自家消費分の環境価値を、制度に基づき活用する取り組みです」

  • 「単なる値引きではなく、環境価値を回収して還元する設計が可能です」


16. まとめ

この取り組みの本質は、以下です。

  • 家庭・小規模需要家の屋根上太陽光では、自家消費分の環境価値が埋没しがち

  • J-クレジットは国が認証する公式制度

  • 小規模案件は、プログラム型のように束ねることで実務的に価値化しやすくなる

  • 収益配分は、販売施工店・EPC 50%、エレビスタ 40%、国際航業 10%を想定

  • ただし、試算で見るべき主役は販売施工店・EPCが受け取れる50%部分

  • 販売施工店・EPC側の50%は、自社収益にも、需要家還元にも活用可能

  • 一部を需要家に還元することで、単なる値引きではなく、環境価値の回収・還元として差別化できる

  • 何もしなければ、需要家の環境価値も、販売施工店・EPC側の還元原資も埋没したままになる可能性が高い


17. 簡易試算をご希望の方へ

貴社の年間販売件数、平均PV容量、蓄電池セット率、自家消費率の目安をもとに、販売施工店・EPC側が受け取れる収益額と、需要家還元に回せる原資を概算します。

ご希望の場合は、エネがえる担当まで「J-クレ簡易試算希望」とお知らせください。

30分程度のWEB会議で、以下を確認します。

  • 貴社実績を入れた概算収益レンジ

  • 需要家還元に回せる原資

  • 自社収益として残す場合の収益額

  • 対象になりやすい案件・なりにくい案件

  • 既存顧客への案内導線

  • 同意取得の進め方

  • まず試すべき対象セグメント

☎ お問い合わせ先

TEL:070-3669-8761(担当 樋口)
MAIL:info@enegaeru.com
WEB相談:https://form.run/@contact-enegaeru


参考情報・出典

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