エネがえるでは日陰(影)の影響を加味していますか?影による発電量の減少はどうやって見積もればいいですか?
■ 回答(概要)
エネがえるでは、標準的な発電量推計ロジック(JISやNEDOに準拠)に基づき、設計通りに日射が当たる前提で発電量を算出しています。
そのため、近隣の建物や木、アンテナ、電柱などによる影の影響(シャドウイング)は自動では加味されていません。
ただし、設置場所に特定の影がかかることが予想される場合、発電量に何%かけ引きする形で影響を簡易に見積もることが可能です。
以下に、誰でも使える**日陰の影響を見積もる「現場で使える簡易ハック・代替案」**をご紹介します。
■ 影の影響を簡易に見積もる方法【5つのハック】
①「どの時間帯に影ができるか」でざっくりロスを把握
午前・午後の一部だけ影になるなら、年間ロスは5~10%程度
午前中ずっと影で午後は日当たり良好なら、10~15%
終日影になるなら、30%以上のロスも想定されます
➡ 例:午前9時まで隣家の影 → 年間で約5~7%のロスと見積もり
② 影に入っていても“完全にゼロ”ではない
木漏れ日や薄い影(電柱・ケーブルなど)は20〜50%程度の発電は残ることも
「濃い影=ゼロに近い」「薄い影=そこそこ発電あり」と覚えておく
➡ 完全な影=100%ロス/薄い影=30〜70%残る とざっくり仮定すると現実的
③ Excelや関数電卓で「影の角度」から影時間を見積もる
影になるかどうかは「太陽の高さ(太陽高度)」と「遮蔽物の高さ・距離」で決まります
遮蔽物の高さ ÷ 距離 = 影の角度(仰角)
例えば:高さ4mの建物が10m離れている → 影角は約21°(= tan⁻¹(4/10))
➡ 太陽高度がその角度を超える時間帯なら影ができないと判断できます
④ 過去の経験値で“係数”を決めて補正
「午前中に樹の影がかかるパネルなら−10%」など、社内や自社で影ロスの目安を持っておくと便利
エネがえるの発電量の「○○kWh」に、0.9倍するだけで反映できます
➡ 例:エネがえる上で4,500kWhの予測 → 樹木の影で−10% → 4,050kWhに補正
⑤ 「マイクロインバータ」や「影に強いパネル」で影の影響を小さくする工夫もあり
設計上、影が避けられないときは、CISパネル(影に強い)やマイクロインバータなどの機材で対策
影を受けるパネルだけ他の系統にする「回路分離」も効果的!
➡ こうした工夫で、ロスを5~10%程度に抑えることも可能です
■ エネがえるでの実務的な対応のすすめ方
エネがえるの発電量は「影なし」を前提に算出されている
現地で影が発生するなら、独自にロス係数をかけて補正しよう
不安な場合は「−5~−15%程度で見積もる」として提案段階で安全マージンをとる
これらのロスを加味した発電量を「年間予測発電量」や「月別発電量」の入力欄で補正する
■ よくある補正の例(参考値)
影のかかり方 | 推奨する補正係数(例) |
午前の1~2時間だけ軽く影 | 0.95(−5%) |
午前中の半分くらい影 | 0.90(−10%) |
終日薄い影がかかる | 0.85(−15%) |
終日濃い影がかかる | 0.70(−30%) |
※あくまで目安です。現場の状況・季節・角度により調整してください。
■ まとめ:影の影響をゼロとしない“ひと工夫”が提案力アップ!
太陽光は「影が命取り」です。
エネがえるでは影の影響は加味していないので、影が明らかに発生する設置環境では、設計者・営業担当者が一言補足するだけで信頼度がぐっと上がります。
現場写真とセットで「この屋根は午前中この影があります、なのでロス約10%と見ています」と言えると、お客様にも安心感と説得力を与えることができます。