エネがえるが公開した試算記事「EVトラック・社用車のEV化は元が取れない?営業所の充電制御・太陽光・蓄電池まで405ケースを実試算【2026年11月最新単価】」の要点を、販売施工店・EPC・電力会社・リース会社の皆さまが、社用車や配送車のEV化を検討するお客様(運送会社・物流会社・営業車を多く持つ企業)へご説明する際の参考としてまとめました。数値は合成した拠点の需要と運行パターンによる傾向で、個別の拠点の結果を保証するものではありません。
3つの答え
同じ台数・同じ走行でも、充電の時間で電気代が約1.8倍違う見込みです。帰庫したらすぐ充電すると拠点の電気代の増加は充電1kWhあたり中央値約38円(税抜)、帰庫後〜朝7時にならして充電すると約21.5円でした。高圧の実量制では、最初の1か月だけ制御なしで充電しても契約電力は1年間下がらず、軽バン30台・関東・1日80kmでは基本料金が1年で約330万円上乗せされる計算です。
車種で答えが分かれます。軽バン(事業用・黒ナンバー)はLEVOの補助(N-VAN e:で78.2万円)を使い、夜間にならして充電すると27ケースすべてで8年の正味がプラス(回収の中央値約1.4年)でした。営業車(軽乗用EV、CEV補助45.8万円)は1日80km以上で回収約4.4〜5.9年、1日40kmでは元が取れませんでした。2tトラックは補助後も8年で1台あたり約120万〜270万円足りません(価格差は推計)。
ピーク対策は蓄電池より充電制御が先です。制御なしの充電に蓄電池を足した場合の電気代の削減は年約64万円(中央値)で、充電制御の約193万円の約3分の1でした。蓄電池14万円/kWh(税抜)では81ケースすべてで8年では元が取れませんでした(ピークカットは完全予見の7割と仮定)。
押さえたい数字
項目 | 試算結果 |
燃料代と電気代(1台・1年) | 関東・1日80km・夜間にならす充電で、営業車 約18.3万円→約7.2万円、軽バン 約22.5万円→約7.5万円、2tトラック 約36.1万円→約26.6万円(税抜。燃料は2026年11月2日調査の東京都の店頭価格。燃料は国の補助で抑えられた価格で、確認時点でも措置は続いていると見られます) |
契約電力の増加 | 1日80km・30台の制御なしで約67〜146kW増。夜間にならすと、本試算の合成した拠点の需要(夜は昼の約2割)では、1日80km以下の営業車・軽バンは100台でも0kW。2tトラックは30台で約41kW増。夜間の需要が大きい拠点では結果が変わります |
受変電設備 | 既設の受変電設備で受けられる最大需要を基礎需要の最大の1.5倍(余裕は0.5倍分)と仮定すると、制御なしでは81ケース中72で増強が必要、夜間にならすと12(すべて2tトラック) |
太陽光と昼の充電 | 太陽光は拠点の昼の需要でまず使われ、充電のうち太陽光でまかなえたのは中央値約11%。3割の車が昼に戻って余りで充電すると、太陽光の回収は中央値約10.2年→約9.1年 |
外部の急速充電 | 80円/kWh(税込)が中心だと、3車種とも8年の正味はマイナス |
補助(2026年11月7日時点) | 事業用のトラック・軽バンと、車両と一体の充電設備・高圧受電設備はLEVO「商用車等の電動化促進事業(トラック)」(申請期限2027年1月15日)。自家用の乗用車はCEV補助(受付終了見込み2026年12月上旬〜下旬、2027年1月1日以降の登録分は補助額が下がる) |
非化石転換の目安 | 改正省エネ法:車両総重量8トン以下のトラックは2030年度までに会社全体の保有台数の5%を非化石エネルギー自動車へ(輸送事業者・荷主の目安)。保有200台以上の特定輸送事業者なら10台以上で、毎年度、中長期計画書・定期報告書を地方運輸局等に提出 |
前提:営業車(サクラ/デイズ)・軽バン(N-VAN e:/N-VAN)・2tトラック(エルフEV/同等ディーゼル)×10/30/100台×1日40/80/150km×関東・関西・九州の高圧料金、8年、税抜、燃料・電気の上昇2%。拠点の需要・運行パターン・受変電設備の余裕・2tトラックの価格差は仮定・推計です。
トーク例(断定を避けた言い方)
「公開試算では、同じ台数でも充電の時間しだいで電気代が約1.8倍違う結果でした。まず拠点の12か月分の30分デマンドと、車ごとの帰庫・出発時刻を確認させてください。」
「最初の月から充電制御を入れないと、契約電力が1年間下がらないことがあります。充電器の口数より先に、夜間にならして充電する仕組みを決めましょう。夜間の需要が小さい拠点なら、契約電力を増やさずに受け入れられる可能性があります。」
「軽バンは補助を使うと短い期間で回収しやすい傾向でした。2tトラックは補助後もまだ差が残るため、走行距離が読める便から少ない台数で始める置き方をご提案します。」
「ピーク対策に蓄電池を入れる前に、充電の時間を動かせるかを確認させてください。公開試算では、充電制御のほうが削減額が大きい結果でした。」
エネがえるで同じ比較をするポイント
複数台のEVと充電器、施設の電気をまとめて比べる場合は、エネがえるBiz EV(商用EV・複数台)で、入力と出力の対応範囲をご確認ください。試算の代行(BPO)もご相談いただけます。
お客様の30分デマンドデータ(1年分)、車種・台数・1日の走行距離、帰庫・出発時刻、料金メニューをそろえると、拠点の最大需要の変化を確認しやすくなります。
「制御なし」「夜間にならす充電」「+太陽光」「+蓄電池」のパターンを並べ、電気代と設備費の両方を示します。燃料単価・補助・上昇率などの前提条件を提案書に明記します。
ご注意
記事の数値は合成プロファイルによる傾向で、個別の拠点の結果ではありません。「必ず元が取れる」とはお伝えにならないでください。
補助は予算に達すると受付が終わります。対象(事業用・自家用)、車両と充電設備の一体導入などの要件、申請期限は執行団体(LEVO・次世代自動車振興センター)の最新情報で確認してください。
受変電設備の余裕や増強費、低圧で受電する小さな営業所の契約の決まり方は、電気工事店・電力会社への確認が必要です。車から建物へ給電する場合は対応する機器と車種が必要で、無停電ではありません。
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