エネがえるでは、9業種×高圧500kW・1,500kW×関東・関西・九州の54案件を、電気代の4シナリオで計算した216ケース(54案件×4シナリオ)で、大企業の脱炭素の打ち手(自家消費の太陽光、オフサイトPPA、バーチャルPPA、非化石証書、J-クレジット)と7つの組み合わせを比べました。法人のお客様への提案や、稟議資料づくりの参考にご活用ください。
詳しい前提・グラフ・出典:大企業の脱炭素は自家消費?オフサイトPPA?再エネ電力?組合せ別にコストとCO2を実試算【2026年】
※2026年10月31日、独立レビューの指摘を受けて、オフサイトPPAの比較相手を「平均単価(基本料金込み)」から「PPAの発電時間帯の電力量料金」に改め、数値を更新しました。
結論:3つの答え
屋根の太陽光は、どの前提でも最初にやるべき打ち手。自家消費の太陽光は全4シナリオの216ケースすべてで得(CO2削減1トンあたり中央値で約4.5万円の得、保守費・交換費を除く)。
オフサイトPPAの損得は「基本料金が下がる契約か」と「電気代が上がるか」で決まる。PPAで置き換わるのは電力量料金(関東約17.3円など)で、PPA単価(20〜23円)はこれより約4〜6円高い。基準シナリオ(電気代年2%上昇)では、太陽光+FIT非化石証書(年平均 中央値約680万円の得)と、太陽光+PPA30%+FIT非化石証書(約650万円の得、54案件中52件で得)がほぼ同じ。追加性100%の組み合わせは損益ゼロ前後(54件中28件で得)。電気代が上がらず、PPAの単価が24円(23円+発電側課金などの上乗せ1円)の場合は、54件すべてで太陽光+FIT非化石証書が最安。
PPAを選ぶ理由は安さではなく、追加性と価格の固定。PPAのCO2削減単価は1トンあたり約1,200円で、FIT非化石証書(約1,300円)とほぼ同じ費用で、新しい発電所の追加性と20年の固定価格が得られる。
押さえたい数字
項目 | 試算結果(税抜・20年・名目) |
CO2を1トン減らすコスト(中央値) | 太陽光 −4.5万円、オフサイトPPA +約1,200円(基準シナリオ)、FIT非化石証書 +約1,300円、J-クレジット +約5,800円、追加性のある証書 +約6,600円 |
証書だけで市場基準Scope2をゼロにした場合 | 何もしない場合より年平均 約200万円(FIT非化石証書)〜約1,000万円(追加性のある証書)の負担増 |
フィジカルPPAの損益分岐単価 | 関東で約21.0円/kWh(電気代上昇2%/年、基本料金は下がらない契約)。参考:基本料金も下がる契約なら中央値約26.7円(関東) |
PPA単体で得になる案件 | 基準シナリオ0/54件、電気代年3%上昇で36/54件、炭素価格シナリオで54/54件 |
20年の総支払いのぶれ | 何もしない約20%→太陽光+PPA約16%、太陽光+バーチャルPPA約12% |
10拠点の企業グループ(基準シナリオ) | 証書だけ 年+0.2億〜+1.0億円、太陽光+FIT非化石証書 年−1.05億円、太陽光+PPA+FIT非化石証書 年−1.01億円、追加性100% 年−0.60億円 |
説明のポイント(トーク例)
「証書だけで済ませる」より先に、屋根の太陽光を提案する。「屋根の太陽光は、どの前提でも何もしないより得になりました。まずここから始めて、足りない分をPPAと証書で埋めるのが順番です」
PPAを「今の電気代と同じ単価」と説明しない。「PPAで下がるのは電力量料金で、基本料金は残るのが一般的です。今の電力量料金より4〜6円高い単価を20年固定する仕組みなので、電気代が上がれば得、上がらなければ割高です。予算のぶれを抑え、追加性を確保する保険としての価値が大きいです」
電気代の見通しと基本料金の扱いを先に確認する。結論を最も動かすのは電気代の上昇率と、PPAで基本料金が下がる契約かどうかです。
RE100を聞かれたら、運転開始年と証書の種類を確認する。RE100の技術基準(2025年版)は、運転開始から15年以内の設備による調達を求め(自家発電などは例外)、条件を満たさない調達は総電力消費量の15%までとしています。
会計・税務は専門家に。バーチャルPPAのデリバティブ該当性や税制の適用は、監査法人・税理士への確認をお勧めください。
エネがえるで同じ比較をするための準備
拠点ごとの30分ごとの使用量(1年分)、電気料金の契約と請求書(電力量料金と基本料金の内訳が分かるもの)、屋根・敷地の面積や図面、検討中のPPAの見積もり(単価・期間・基本料金の扱いなど)をご用意ください。
自家消費型の太陽光・蓄電池はエネがえるBizで、複数の需要家・発電所を組み合わせたオフサイトPPAの需給と経済性はエネがえるコーポレートPPAで試算できます。条件整理から試算までの代行(BPO)にも対応しています。
ご注意
数値は、業種別に合成した需要の形と、公表されている平均的な価格(自然エネルギー財団などの資料)にもとづく試算です。個別の企業の結果は、使用量の形・契約・屋根の条件・PPAの見積もりで大きく変わります。
証書の価格、RE100などの基準、炭素価格の扱いは変わることがあります。最新の情報は記事と各制度の公式資料でご確認ください。
試算条件の整理や、法人のお客様への説明資料づくりのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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