PPAという名称や初期費用の有無だけで、オフバランスになるとは判断できません。新リース会計基準を適用する企業では、契約に設備を使用する権利が含まれるかを、具体的な条件に基づいて確認します。
いつから適用されますか?
企業会計基準第34号は、2027年4月1日以後に開始する連結会計年度・事業年度の期首から原則適用されます。2025年4月1日以後に開始する年度の期首からの早期適用も認められています。自社が採用する会計基準と適用時期を確認してください。
PPAの何を確認しますか?
契約に特定された資産があり、その使用を支配する権利が一定期間、対価と交換に移転しているかが出発点です。確認資料には次の事項を整理します。
- 発電設備が特定されているか、供給者に実質的な代替権があるか
- 使用期間を通じて設備からの経済的利益のほとんどすべてを得る権利があるか
- 設備の使用方法を誰が決定できるか。使用方法が事前に決まっている場合は、稼働権限や設計への関与も確認する
オンサイトかオフサイトか、専用電源か、電気を全量購入するかという情報は検討に役立ちますが、それだけで結論は決まりません。ASBJの適用指針には、電力購入契約について異なる条件を比較する設例があります。
リースを含む場合はどうなりますか?
借手は原則として使用権資産とリース負債を計上します。リース以外のサービス部分の区分、支払条件、解約・延長・購入オプション等により処理や金額が変わるため、リースの識別と計上額の算定を分けて確認します。短期・少額等の取扱いも、適用条件の確認が必要です。
17年や契約期間だけで判定できますか?
できません。税務上の耐用年数と、新リース会計上のリース識別は異なる問題です。太陽光設備の税務上の区分も用途等によって異なります。契約期間を17年で割った割合や、チェック項目の該当数を会計上の判定基準として使わないでください。
契約前に用意する資料
- 契約書・仕様書と設備の特定、代替に関する条項
- 電力・環境価値の帰属、運用・設計・出力に関する権限
- 支払条件、解約・延長・購入条件、残価保証、保守等の役割分担
- 採用する会計基準と適用年度
これらを基に経理担当者、監査人・会計専門家と確認してください。契約条件の変更等によって見直しが必要になる場合もあります。本FAQは制度の一般的な説明であり、個別契約の会計処理や監査上の結論を保証するものではありません。2026年10月17日確認。
出典
- ASBJ 企業会計基準第34号(25–26項:識別、27項:再判定、28項:区分、33–35項:計上、39–42項:見直し、58項:適用時期) https://www.asb-j.jp/jp/accounting_standards_system/details.html?topics_id=157
- ASBJ 適用指針第33号(5–8項:特定・支配、設例6:電力) https://www.asb-j.jp/jp/accounting_standards_system/details.html?topics_id=160
- 国税庁 風力・太陽光発電システムの耐用年数について(2025年8月1日現在の法令・通達、用途に応じた個別事例) https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/05/12.htm
