Intercom FAQ:カスタムプラン編集(共通・まずここ)
これは何に使う機能?
電気料金DBに無い・またはそのままだと実態とズレるプランを、コピー→微調整またはゼロから作成して、試算に反映します。代表例:新電力、相対契約、割引条件、燃調・再エネ賦課金の独自固定、将来単価シナリオ、JEPX平均での簡易市場連動など。
作り方は2通り
1)既存プランからコピー(推奨)
低圧:新電力含む約100社・3,000プランからコピー&編集
高圧・特高:大手10電力プランからコピー&編集
2)ゼロから新規登録
相対契約(見積ベース)や独自設計のときに使用。
電気料金の“構造”を1分で
一般的に、電気料金は
**基本料金(容量やデマンドで決まる)+ 従量料金(kWh)+ 燃料費調整(毎月変動)+ 再エネ賦課金(年度単価)**で構成されます。 (エネチョウ)
燃料調整費・再エネ賦課金は何が正?
この機能では「エネがえる自動更新」ではなく、独自に固定できます(後述)。
① 家庭用(低圧電灯)向け:最強FAQマニュアル
目的(家庭用のポイント)
家庭用は「基本料金」よりも、従量単価(円/kWh)と燃調・再エネ賦課金の前提が試算結果を大きく左右します。
よって、家庭用は “単価の微調整と将来シナリオ” が主戦場です。
入力手順(最短)
契約種別:低圧電灯
エリアコード:需要地点の送配電エリア
プラン名:見返して分かる命名(例:◯◯電力_2025冬想定_燃調固定)
基本料金タイプは、家庭用は多くが「固定方式」または「契約容量方式(A/kVA相当)」の簡易でOK
従量条件に単価(円/kWh)を登録
燃調・再エネ賦課金を「独自にする」場合のみチェックON
各項目の意味(家庭用に必要な範囲だけ)
容量単位(A)
契約アンペア。家庭はここが基本。
基本料金タイプ
固定方式(単価1):月額固定の基本料金
契約容量方式:契約アンペア等に比例する扱いの近似
※ 家庭用で複雑な型は基本不要(説明コスト>精度メリットになりがち)
家庭用の“便利ワザ”3選(努力不要で強い)
1)「燃調固定」で“将来の不確実性”を分離
燃調は毎月ブレます。燃調を固定すると、
太陽光・蓄電池の効果(自家消費・ピーク回避)だけを比較しやすくなります。 (エネチョウ)
2)「再エネ賦課金は年度単価」で素直に置く
年度で全国一律なので、説明が簡単で揉めにくいです(例:2025年度3.98円/kWh)。 (経済産業省)
3)「シナリオ3本」を作って意思決定を前に進める
楽観:燃調低め
中立:燃調平均
悲観:燃調高め
の3プランを作り、同条件で比較すると稟議が通りやすくなります。
新価値創造(家庭用)
「燃調・賦課金を分解して見せる」ことで、顧客に**“価格変動リスクの理解”**が生まれ、蓄電池の価値説明が通りやすくなる
「3シナリオ比較」があるだけで、営業は説明が短くなるのに納得は深くなる
② 低圧事業者(低圧電力)向け:最強FAQマニュアル
目的(低圧事業者のポイント)
低圧事業者は、家庭用より
契約がkVAになりやすい
営業時間・休日区分で単価が変わることがある
小規模でも“契約の特殊条件”が入りやすい
ため、従量条件(時間帯・休日)設計が効きます。
入力手順(最短)
契約種別:低圧電力
容量単位:kVA(多くはこれ)
基本料金タイプ:まずは 契約容量方式(契約容量×単価1)
従量条件:
区別なし(単一単価)から開始
必要なら「時刻」「休日区分」を追加
燃調・再エネ賦課金:独自にするならチェックON
休日扱いのコツ(地味に効く)
「休日扱い(土日祝)」の設定が現場実態とズレると、
飲食・小売・クリニック等で昼間単価の効き方が変わり、結果がズレやすいです。
まずは「実態の定休日」に寄せるのがコツ。
便利ワザ(低圧事業者)
1)営業時間に合わせて“時刻帯単価”を作る
例:
9〜18時:高め
18〜9時:低め
のように、ざっくり2帯で十分です(細分化しすぎない)。
2)相対契約は「総割引率」で“最小手数”補正
個別条件を全部式で再現せず、総割引率で帳尻を合わせると、作業が速いです。
3)「検針票なし概算」用の社内マスタを先に作る
地域別に“よくある単価”を登録しておくと、
検針票が来る前に概算→意思決定が前倒しできます。
新価値創造(低圧事業者)
「営業時間×休日×単価」をテンプレ化すると、営業はヒアリングが減り、提案が速くなる
“社内マスタ化”により、属人的な概算が消え、見積品質が均一化する
③ 高圧・特別高圧向け:最強FAQマニュアル(ここが本丸)
結論(高圧・特高のポイント)
高圧・特別高圧の基本料金は、原則として
最大需要電力(デマンド)=ピークで決まる(実量制・最大デマンド基準)。 (リクデン)
したがってカスタムプランでは、基本料金タイプを
ピーク電力容量方式(ピーク電力量×単価1)
にするのが、実務上のデフォルトです。
参考:電力会社によって「当月+前11か月の最大需要電力の最大値」などの決め方が示されています。 (リクデン)
入力手順(最短・王道)
契約種別:高圧 または 特別高圧
エリアコード:需要地点の送配電エリア
容量単位:kW
基本料金タイプ:ピーク電力容量方式(ピーク電力量×単価1)
単価1:**基本料金単価(円/kW)**を入れる
例として、TEPCOの高圧プランで 1,466.50円/kWの記載例があります(条件により異なる) (東京電力)
従量条件:まずは「1段・区別なし」で相対見積単価を入れる
割引や力率など:
まずは 総割引率で近似
精密化が必要なら段階・時刻・休日で再現
燃調・再エネ賦課金:
「将来単価シナリオ」や「補助なし平均」などは独自設定に切替
高圧・特高の項目の意味(絶対に押さえる)
ピーク電力容量方式(ピーク電力量×単価1)
月の最大デマンド(kW)に単価を掛ける
太陽光・蓄電池・DRの価値(ピーク抑制)が金額に直結するため、この方式が重要
従量条件(単価 円/kWh)
相対契約では、見積書の「電力量単価」をそのまま入れるのが最速
時刻帯・季節別があるなら、2〜3分割までに留める(作業爆発防止)
総割引率
力率割引・特約値引き等を“まとめて近似”できる
高圧の力率割引・割増の考え方は一般に説明がある(例:85%基準など)。 (power.idemitsu.com)
高圧・特高の“便利ワザ”5選(努力不要で強い)
1)まず「ピーク課金+単一従量単価」で完成させる
最初から完全再現を狙わない。
80点モデルを30分で作って、必要に応じて精密化。
2)「燃調を固定」して提案のブレを減らす
燃調は毎月変動する仕組みなので、比較の邪魔になりやすいです。 (エネチョウ)
提案段階は固定→最終段階で可変に戻す、が実務的。
3)「再エネ賦課金は年度単価」を素直に置く
例:2025年度 3.98円/kWh。 (経済産業省)
全国一律なので説明が簡単。
4)JEPX平均で市場連動を“簡易再現”
市場連動型は本来複雑ですが、
「過去◯年の平均」を従量単価として置き、シナリオ比較に使うと議論が進みます。
5)社内マスタ化(地域×規模×業種の相対単価テンプレ)
検針票が無い案件でも、営業が即試算できるようになります。
これは受注率と案件スピードに直結します。
新価値創造(高圧・特高)
ピーク課金(デマンド)を正しく置くことで、
蓄電池のピークカット価値やDR価値を“金額”で提示できる「悲観/中立/楽観」3シナリオのテンプレを用意すると、
営業は説明が短くなり、意思決定は早くなる相対契約だらけの世界で、カスタムプランは
“検針票が揃うまで待つ”を無くす仕組みになる
共通:入力項目チートシート(迷ったらここ)
<基本情報>
契約種別:低圧電灯/低圧電力/高圧/特高
エリアコード:需要地点の送配電エリア
プラン名:前提が読める命名
容量単位:家庭A/低圧事業kVA/高圧以上kW
契約容量下限・上限:誤適用防止(マスタは広めでも可)
基本料金タイプ:
家庭:固定 or 容量方式で十分
低圧事業:容量方式が基本
高圧・特高:ピーク電力容量方式が基本(最重要)
単価1/単価2:基本料金単価(必要時のみ単価2)
休日扱い:土日祝
総割引率:力率・特約などまとめ補正
<従量条件>
まずは「区別なし・1段」
必要なら「時刻」「休日」「月」で2〜3段まで
<燃調・再エネ賦課金>
追加マニュアル:営業が“努力不要”で成果を出す運用(これだけやる)
社内で「家庭/低圧事業/高圧」の3テンプレを作る(地域別)
各テンプレに「悲観/中立/楽観」の3シナリオを付ける
プラン名命名を統一(例:地域_業種_ピーク課金_燃調固定_悲観)
高圧・特高は原則「ピーク電力容量方式」から開始
精密化は“必要になったら”段階追加(最初からやらない)
